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理事のコラムDIRECTOR'S COLUMN

(2020年8月)

定年退職後の住まいづくり

 新築住宅の受注を目指すに当たって、今後需要が大きく伸びると感じているのが、「定年退職後の住まいづくり」だと感じています。この層のお客様は、まだ社会と大きく関わっており、子育てが終了して経済的に裕福でありながら、この後20年以上も生きていくと思っています。高齢の両親の介護等はあるものの、自由時間が非常に多いのも特徴です。彼らがどこにお金を落とすか?観光業界や飲食業界などと競合になりますが、新型コロナウイルスへの対策から、住宅業界に勝機があるのではと考えています。そのためにも、60歳以上のお客様に満足いただける商品提案と営業力が必要だと考えています。
 現在、定年退職を迎えた二組のお客様と住まいづくりを行っていますが、これが参考になると考えています。 S氏は65歳になりますが、15年前、二世帯住宅にもリフォームできるように実家を建て替えていました。当時は、結婚前の子どもが2人と母親の5人で暮らしていましたが、現在では、その母親が他界し、子どもたちはそれぞれ所帯を持って出て行きました。ただし、孫が小学校に上がる時期に合わせて、長男夫婦と同居する予定になっていたようです。そこで、今の住まいを二世帯にリフォームするのかと思いきや、近くに土地を購入して老後のための住まいを新たに建てることになったのです。一つは、長男に3人子供が産まれたため、今の住まいではリフォームしても狭くなり、そして、増築できない大きさの土地だったことが要因です。今の住まいは、長男夫婦に譲るようです。また、A氏(女性)は、子どもがいないこともあり、定年退職と同時に離婚を決断し、実家の近くに土地を購入しました。高齢の母親の介護に注力したいとなったようです。両者とも土地購入からお世話することになり、建築受注につながったのですが、住まいづくりにおいて希望する項目の共通点が多いのです。
 列挙すると、(1)平屋建て(S邸30坪、A邸20坪)、(2)固定階段のロフト収納、(3)梁を見せる勾配天井、(4)ペニュンシュラ型キッチン、(5)床暖房、(6)太陽光発電搭載、(7)大型の洗面脱衣室、(8)大型クローゼット(女性用)、(9)介護向けトイレ、(10)IH機器、(11)各室引き戸、(12)食洗器、(13)浴室乾燥機、(14)浴室引き戸、(15)ウッドデッキ、(16)勝手口(カーポートから)、(17)高気密・高断熱性能、(18)長期優良住宅、(19)維持管理のしやすい外壁、(20)防災対応型(太陽光+ハイブリットカー)、(21)掃除のしやすい床材、設備、(22)ペット重視、などです。
 意外と拘りがないのが、資金計画やデザイン、構造躯体の仕様です。「お金が掛かるのは仕方ないから、良いものを提案して」「外観は派手にしないで、目立たないように」「ヒノキや国産材などにこだわらない」というのです。建物の受注金額帯は、2,000~2,500万円となっています。
 ハウスメーカー各社も、「平屋」という商品を打ち出し始めました。若い家による需要が減少していることもあるでしょうが、パワービルダーと競合しない60歳代のお客様がビジネスとして面白いのでしょう。今のファミリー向け分譲マンションや分譲住宅は、パワービルダーやデベロッパーと競合する上、30歳代に向けた商品企画になっているため、自分たちの土俵(ネームバリュー)で戦えないのです。
 ここに、私たち工務店にチャンスがあると考えています。価格競争に巻き込まれるパワービルダー、デベロッパーと競合せず、ハウスメーカーだけを意識すればよい。まず注力するのは、営業方法であり、孫のいる世代の営業担当者のチームが良いのではないかと思います。お客様との会話が弾むことで、ハウスメーカーと差別化できます。商圏内の売地や古家の情報は欠かせませんので、人生のベテランは、そこでも活躍してくれるはずです。広告媒体は口コミを重視し、インターネット、モデルハウス、現場見学会などではなく、知人、友人、親せき、サークルなどを活用するという、昔ながらの営業方法です。数十年前に建てたOB施主様に寄り添った営業活動も良いかもしれません。戦後の住宅業界では、ほとんど無視されてきたお客様の層だけに、新しい営業方法、新しい商品が受け入れられるはずです。

お客が増えている会社とは?

 新型コロナウイルスが経済に与えた影響は、リーマンショックをはるかに超え、世界中に広がっています。日本のあらゆる業界も対応に追われ、「営業自粛」を要請された店舗や会社が「なんとか売り上げを上げたい」と様々な策を講じています。非接触型営業を余儀なくされれば、ネットやSNS、DM活用に力を入れるのは当然でしょう。来店型の店舗は、テイクアウトや出前に力を入れたところが多く、過密状態を避けようと、店頭、若しくは顧客先での商品と代金を交換する形態に力を入れています。しかし、新たな販売スタイルに取り組んだにも関わらず、結果には差が出ています。場当たり的に真似だけをした店や、店内のメニューをそのまま出した店は厳しく、現行メニューにこだわらず、様々な工夫をした店はお客様を増やす結果につながったようです。
 新規のお客様を増やした店は、「この時期、どんなお客様がどんな商品を好むのか」を考え、従来のメニューにこだわらない商品を提供しつづけています。例えば、ライスをつけない弁当、テイクアウト向けメニュー(汁のない)、価格据え置きで量を増やしたメニューなど、他店との差別化ができています。東京のある弁当店では、混雑状況や弁当の売れ行きについて、消費者に分かるように24時間店舗内のライブ配信を行いました。また、注文が増えて配達が厳しくなった宅配ピザ店が始めた、「店頭渡しなら50%OFF」メニューも売れているそうです。
 住宅事業は、外食産業や観光産業と比較するとお客様との接触が少ない分影響は少なく、恵まれている業種と言えます。しかし、どのエリアにおいても徐々に受注棟数、着工数は落ち込み始めています。特に、ハウスメーカーが酷く、5月は前年同月比で30ポイント以上も落ち込みを見せています。賃貸住宅は10ポイントダウン程度で凌いでいるようですが、お客様の絶対数が7割以上も減少している状況では、回復まで時間がかかりそうです。それにもかかわらず、ハウスメーカーも工務店様も、営業スタイルや工事方法はコロナ前とほとんど変わりません。残念ながら、私が勤務している工務店も以前と変わらず、だからこそ非常に危機感を募らせています。
 遅まきながら、営業、工務関係者全員に対して、モバイルパソコンかアイパットを支給しました。事務所内だけでなく、現場でもお客様との情報をスピーディーに発信できるようにしたのです。全員が使いこなすまでには時間がかかりますが、面談や電話の情報伝達から、少しずつですが変わってきました。画像や図面を拡大しながらのコミュニケーションができているので、間違いも少なくなっていると実感しています。フェイスタイムやズームなどが使いこなせればよいのですが、そこまではできていません。デベロッパーや住宅会社との連絡は、近いうちにこうした方法が当たり前になると思っています。ただし、それ以上に営業活動が不十分で、エンドユーザーとは相変わらず「メールと電話、面談」であり、具体的な改善がなされていません。プロユーザー(住宅会社・不動産会社)向けも変わりません。今後、どのようにすべきかについて悩んでいます。
 Tハウス様は、まず、関わっている会社や仕組みを見直しています。自社のメリット、デメリットをもう一度整理して、「当社の得意な住まいづくりはこれだ!」を、再度関係者(スーモ、銀行、不動産会社)に伝えています。自社のホームページも、施工事例が中心だったものを、集客、問い合わせを増やすことを目的に、見直しをかけたようです。このような時期だからこそ、営業担当者任せにせず、一緒に受注までのストーリーを組み立て、行動できるようにしたようです。集客媒体が変わり、営業の取り組みも変わってきました。まだ直接の成果はないようですが、手応えを感じていると言います。
 Nハウジング様は、分譲会社の1次下請けがメインのため、土地情報を武器の一つに変えています。毎日、エリアのレインズやポータルサイトを見て、分譲住宅会社の日々の作業を補っています。また、分譲住宅会社に代わって、競合物件の情報を整理して提供しています。結果、優先的に建築発注をいただけるようになっています。N社は、営業活動を徹底的に自粛し、広告費を1/10まで減少させ、売上棟数よりも経常利益へシフトしました。モデルハウス、宅配チラシ、営業イベントなどを停止し、口コミによる紹介キャンペーンやモニター募集などを行いました。社員も他部門へ異動させることで、大幅な経費削減ができたようです。「このような大きな外部変化時に、思い切った対策を実行する」ことで、切り抜けています。
 外部環境が変わっても、お客様を増やす会社が出てきます。新築住宅業界も、近い将来に60万戸台になると言われ、右肩下がりの業界の一つです。それでも、お客様を増やすことは可能だと思うのです。24時間365日、考えて、考えて、行動に移していこうと思います。

テレワークはビジネスマンに根付くのか?

 千葉県内の分譲会社を訪問すると、山手線の駅から電車で40分程度の分譲地が活況を呈しています。その理由の一つとして、都心のマンションを検討していた人たちが、郊外の一戸建ての検討に変わってきていることが挙げられます。そして、そういった方々が口を揃えて言うのが、テレワークスペースの要望です。これは2~3畳と小さくても良いのですが、「隔離できる、音がしない」という条件が付くというのです。リモートでの会議や打ち合わせが増えているので、家族が一緒では集中できないのでしょう。週に2~3回のみの出勤が常態化するとなると、住宅取得の際の優先順位を、「通勤」から、「家族とのコミュニケーション」「テレワークスペース」に切り替えていくことになりそうです。
 もちろん、現場(建設、工場、配送、サービス業など)を持っている人たちは、今までと変わりません。テレワークが可能な人の比率は高くないかもしれませんが、それでもテレワークが可能な職種の人ほど、都会にオフィスが集中し、通勤ラッシュの中を通勤していることも確かです。都心のオフィス街に通勤する人が激減すれば、日本の社会が大きく変わることになります。通勤ラッシュが緩和され、平日夜の居酒屋の来店客は少なくなるでしょう。一方、少なくなった通勤時間を、スポーツや自己修練の時間に充てられ、自宅での飲食が増えることになるはずです。懸念されるのは、一人ひとりが室内で過ごす時間が増えることで、あらゆる場面で出費が抑制され、経済の後退につながってしまうことです。週に二度は外食をしていた私が、月に一度程度、勉強会の後に数名で食事をするだけになっています。その代わり、週に二度は、住まいをバーに変え、楽しんでいます。家飲みですから、飲食費用はほとんどかからないのです。同じようなビジネスマンが増えると、日本経済はデフレに戻ってしまうのではないかと危惧しています。
 ルート営業の方法も変わりつつあります。営業の事務所を統合し、車の中や自宅で作業ができるように、モバイルツールを充実させています。ある会社は、自宅作業のインフラ費用として、電気代を支給するようになっているそうです。いずれ、自宅改装費用も会社負担になる時代になるのではないでしょうか?自宅の宅地内にプレハブ事務所を設置する費用、車の改装費用など、企業資産と個人資産が混じりあってくる時代になるかもしれません。
 新型コロナの対策をきっかけに、大都市圏の住まいづくりが大きく変わることは間違いなさそうです。新築マンションでは、共有スペース部分にテレワークスペースを設置してくるでしょう。既存マンションも改装してくるかもしれません。今までのような通勤の利便性が優先されるのではなく、快適なスペースの有無が重要視されるでしょう。私が企画する物件には、3畳の快適なテレワークスペースを組み込んでいこうと考えています。

心に残る言葉

「正直に生きる」
 職場の教育の8月8日の文章です。
 西洋人から、150年前の日本人の評価です。人のものをくすねる、賄賂を要求する、という行為がどんなに貧しくても見られない日本人であった。しかし、現在は保身ために、嘘をつく、賄賂を要求する、見栄を張る。残念な状況です。一歩間違えば、自分もそうなってしまうのではないかと不安を持ちながら、「天は、いつでも見ている」と自分に言い続けています。

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