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耐震診断・耐震補強等、住まいの安全性を高める技術の向上を図っています。

理事のコラムDIRECTOR'S COLUMN

(2020年10月)

木造建築の遮音化に注目する

 これまで鉄骨造やRC造で建てられていた低層の建築物が、どんどん木造に変わってきていると感じています。耐火木造建築がもっと普及していけば、更なる建築コストの削減や、施工方法の進化が期待できるでしょう。しかし、遮音性能の向上という大きな課題がまだ残っています。遮音性能は、建築部材の重量と大きな関連性があります。その他の工法と比較して木質部材は軽いため、この点についてはデメリットになりがちです。しかも、テレワークなどにより遮音化の需要が伸びている中ですが、音の問題は人によって感じ方が変わるという、微妙な問題でもあります。しかし、これを解決することができれば、木造の優位性が際立ち、ほとんどの低層建築物が木造に変わっていくと考えています。
 高い遮音性能が求められるのは、圧倒的に上下階の界床です。平屋やメゾネット型など、建築プランで解決する方法もありますが、都合良くそんな間取りばかりが受け入れられるわけではありません。今後、遮音化の需要が見込めるということもあり、建設業界だけでなく、あらゆる業界から商品開発の提案が進んでいることはありがたいことです。
 例えば、ヤマハ㈱や㈱河合楽器製作所などの楽器関係企業をはじめ、トヨタ自動車㈱等の動車業界、工場・プラントの企画企業、ゴム・樹脂製造関連の化学会社なども遮音技術を有しています。こうした企業には、RC造やプレハブ建築向けだけでなく、木造住宅や木造建築に向けた部材や工法をぜひ開発していただきたいと思っています。身近な建材メーカー様では、大建工業㈱様と吉野石膏㈱様が私たち工務店に対して方向性を示していただいています。大きな建築物ならば、専門業者が入って性能を担保する方法もあります。しかし、住宅をはじめとした小さな建築におけるポイントは、大工工事で完了させるということであり、専門業者や特殊業者が入ってくるとなると、工程や取り合いが難しくなってしまいます。また、遮音を必要とするスペースは、密閉された空間ですから換気が必要不可欠です。ところが、そこからの音漏れが致命傷になるのです。換気部材メーカーも商品開発を行ってきていますので、情報を集めたいものです。
 一方、団塊の世代が70歳を超え、現在、仕事から完全に離れた元気な方々が2,000万人以上もいらっしゃいます。70歳から男性の平均寿命81.25歳までの間には、生涯勤務時間に相当する約10万時間があります。多くの人が時間を持て余している状況ですが、家庭内は妻のテリトリーであるため自由にはできず、居場所を失っている人も多くいるようです。また、古く、遮音性の低い住宅に住んでいることが、妻の不満を募らせているのです。高齢になればなるほど、男性の趣味は外から室内にシフトしていくものです。楽器演奏、映画鑑賞、スポーツ観戦、読書、インターネット、株取引、競馬などをする機会が増えていくと、妻に干渉されない、小さくても遮音性の高い居場所が欲しくなるものです。周囲を気にせずに、大きな声を出して日本代表を応援してみたり、楽器を思いっきり弾いたりしてみたいのです。
 そこで、「室内シェルター」を提案したら良いのではないかと考えています。4畳程度の、遮音性、耐震性、快適性に優れた空間を設けるのです。既存の柱や壁は利用せず、室内に追加で設置する「木造シェルター」です。木造であれば移設が可能ですから、リサイクルも可能になります。また、それをどう届けるのか?営業するか?ですが、「退職金の一部から、自分へのご褒美」「子供から、田舎の両親にプレゼント」「おばあちゃんから孫へ、楽器演奏ルームプレゼント」「自営の店舗や倉庫の一角に」などといったキャンペーン文句が考えられます。ホームページやニュースレターなどでの告知が良いですよね。また、音楽教室の経営者や家電量販店とともに、紹介制度をつくることも営業の一つではないかと思います。
 また、このようなシェルターは、「もしもの時」に避難する部屋になり、「命を守る」住まいづくりができると考えています。耐震リフォーム、耐震補強が進まない現状を打破する、一つの方法になるのではないでしょうか?高齢者の住まいほど、耐震性に不安があり、しかも自宅にいる時間は長く、逃げ出す体力もないのです。若い子供たち世代は、丈夫な住まいでありながら、自宅にいる時間は短く、逃げ出す体力もある。この矛盾を早く解決したいものです。「遮音」性能を求めることが「耐震」性能に連動し、命を守ることにもなると考えています。

土地から探すお客様は増えるのか?

 首都圏や関西圏は、分譲住宅や土地仲介など土地探しから、住まいづくりを始めるお客様が後を絶ちません。そのような中、不動産仲介の存在価値が増しており、住宅会社内で土地を探す、扱う部門を持っている会社は今でも伸びています。設計や工事部門を持たない不動産会社でも、土地情報を武器に住宅会社を名乗っているほどです。そのような会社であっても、お客様は信用して発注するのですね。それほど土地情報の効果は抜群に強いのです。
 私が最近手がけた新築住宅受注の例を参考にできればと考えています。幼稚園児が2人いる30歳代のご夫婦で、ある小学校学区に絞って土地探しをしています。自己資金はほとんどない状況であり、総額いくらまで買えるのか、お客様自身がよく分かっていませんでした。そこで、住宅ローンの事前相談を行い、最大借り入れ金額を明確にしてから、週末は一緒に学区内を行動しながら、土地を探しました。建築条件付き、条件なし、既存住宅など、レインズやインターネットだけでなく、目ぼしい空き地の所有者探しも行いました。不動産仲介会社への訪問にも同行しています。
 2週間程かけて3件に絞り、プランと資金計画(建築費用の見積)を作成し、段差による2次造成費用や地盤改良の有無、インフラの引き込み状況、仲介手数料の有無などを含めて、比較検討できるように提示していきました。最終的に一件に絞っていただき、売り主と土地の支払い条件を煮詰めていきます。住宅ローン実行まで支払いを待っていただけるのか、銀行の分割実行は可能なのか、そのような業務を引き受けていき受注につなげていったのです。
 もう一組は、一人住まいの父と同居するに当たり、二世帯住宅を計画していました。しかし、築20年の自宅では、増築や建て替えをするには土地が狭いということで、土地探しからお手伝いしました。親の資金が期待できるということでしたが、まずは、銀行融資を確定させました。子供の通学の関係で駅徒歩10分が条件であり、前述の事例と同様に行動しました。最終的に土地を購入し、建築を請け負うことができました。更に、お父さんの住まいと自宅の売却も同時にお手伝いすることになりました。土地探しから一緒に行っているということもあり、信頼関係が構築できていたことから、特命での受注になっただけでなく、見積金額から値切られることもない。銀行が融資可能な範囲で資金計画を提示していけば良いのです。
 住宅着工数は、確実に減少していきますね。残念ながら、持ち家の建て替え、分譲マンション、賃貸住宅が大きく落ち込んでいます。分譲一戸建住宅もそれほど伸びていませんが、建築条件付き土地分譲や古家付き土地売買、条件なし土地売買は、一定の動きを見せています。30,40歳代の夫婦は、ほとんどが賃貸マンションか分譲マンションに住んでいます。50歳代になると築20年程度の分譲一戸建住宅を持っているものの、建て替えではなく、自宅を売って、土地を購入して新築を建てる方が多くいます。60歳代になると、自宅を子どもに譲り、小さな土地を購入して小さな建物を新築する。このように、多様な世代が土地探しから始めているのです。単純な建て替えによる新築工事は、地方では残っているかもしれませんが、団塊の世代以下のお客様は、同じ町内や学区は意識しているのでしょうが、何が何でも今の自宅を建て替えるほど、その地に愛着を持っているわけではありません。新築住宅を手掛けたい工務店様は、もはや建築知識、施工技術だけでは不動産会社の下請けになる可能性が高く、十分な利益確保ができる状況にありません。ですから、土地を探しているお客様と接点を持ち、一緒に土地探しから行う時代になっていると考えています。
 新築住宅を建てる上で、土地のリスクや課題をお客様に代わって調査をしたり、土地購入資金のやりくりをご提案したりなど、これから必要になるのは不動産知識であり、そこから信頼関係も構築できるのです。自社で不動産に関する組織を持てればいいのですが、資格者を雇用する必要もありますし、宅建業を開設するなど、大きな費用負担が生じます。やはり、不動産仲介会社とのネットワークをつくりあげることが重要だと思うのです。商圏を絞り、地元の不動産会社とビジネスマッチング(業務委託ルール)を結び、WIN―WINの関係になっていくことがよいでしょう。パワービルダーに打ち勝って、新築受注を増やす方法は、地元の不動産会社を上手に使うことしかないと考えています。

熟考とせっかち

 創業経営者と接する機会が増えてきました。そうした方々の傾向として、「せっかち」「スピード決断」というイメージを持っています。行動しながら、判断していくのです。「泳ぎを覚える前に、水に飛び込んでみて、それから泳ぎを身に付ける」といったことを実践している人が多いようです。感性が強く、ピンときて、興味を持ったら即行動。上手くいったら、どんどん投資。半年程度でビジネス化できなければ、即撤退、といった動きをされるのです。私生活も同じで、興味を持つとどんどんチャレンジし、お酒の席でもよく話されます。人生論や生き方には芯があり、聞いていて面白い。ビジネスにしても、私生活にしても「感性」が鋭く、常々磨いている。朝は早く、のんびりせず、何かと行動している。こういった特長があると感じています。
 一方、2代目経営者やサラリーマン経営者は、「慎重」「協調」「計画」といったことに長けているように感じます。確実に成果を出すために、考えて、計画を練り、実行していきます。「飛び込む前に、練習を重ね、水に入る」「マーケティングを行い、戦術を立ててから行動」ですから、感性を磨くより、経営学を学ぶことに興味を持つのです。
 私は、どちらも正しいと思えますし、真似したくなります。現在の外部環境、自社の持っている能力、自社の業界におけるポジショニングを考えると、どちらも不足しているからです。しかし、自己分析や、周囲からの評価を踏まえると、私は創業経営者の行動や考え方に近いようです。特に「せっかち」の度合いは年齢とともに高まっているようです。社員からの報告は「スピード」を第一に置いていますが、口酸っぱくいっているものの、まだまだ不十分だと感じてしまいます。それには、私が普段から見せている態度や言葉も一因にあると思いますが、それでも「スピード報告」の重要性を繰り返し言い続けています。もう一つ重視しているのが、「生き方、考え方」です。社員に徹底する前に自分の「生き方、考え方」を明確にするために、学び続けています。先人の本を読み、人格者の話を聞く機会を積極的に持つようにしています。
 課題は「感性」であり、特に経営センスとなると自信がありません。磨き方も分からない。新しいことに興味を持ちますが、「ビジネス」までは組み立てられません。撤退の時期、判断力も不十分です。また、周りの人との協調や、周囲を巻き込むことはできていますが、戦略、戦術が十分に組み立てられないため、計画を立てようともしません。行き当たりばったりのプロジェクトが多く存在しているのです。慎重さが足りないから、失敗も多くなってしまっています。これは反省しなければなりません。
 数多くの経営者と話をしますが、両方を持ち合わせた人はそれほど多くはないですね。それでも、しっかりと利益を出し、長期にわたって事業を継続している経営者が多くいらっしゃいます。自らの特徴を明確にして、それを信じて経営方法を変え、進めているのでしょう。継続できているということは、社会から存続する価値があると認められている証拠でもあり、自信を持って良いことなのかもしれません。企業の大きさと関係なく、経営者である以上、将来のビジョンを持ち、そのために行動する推進力は必要であり、小さな失敗を覚悟でどんどん行動することは欠かせないようです。創業者からみると「せっかち」は、スピード判断の一環なのかもしれませんね。

心に残る言葉

「法則を知り、使いこなす」
 科学の世界は、法則を探し、知ることであらゆる難題を解いていきます。実は、仕事も人間関係も、お金も同じこと。法則を知れば、解決の糸口が見えてくるし、悩まなくていい。人生に役立つ法則は、先人の本や講演などから教えてもらうほかないし、その中でも読書は最強の手段だと考えています。

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