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理事のコラムDIRECTOR'S COLUMN

(2021年8月)

既存住宅流通を活性化したい!

 日本では、既存住宅を購入してそのまま使うことはほとんどありません。マンションの場合は、リノベーション済の物件を購入するか、入居前に大型リフォームを行うケースがほとんどです。一戸建住宅は、リノベーション物件だけでなく、解体して新築工事を行う場合も多くなっています。天皇陛下でさえ、数億円をかけ吹上御所を改装しています。他人が住んだ家は、年代も家族構成も違うため、自分たちの住まい方と違うのは当たり前なのです。住まいに合わせて住むということが、賃貸住宅や建売住宅ではできているにも関わらず、自分が所有する既存住宅ではできないのです。
 やはり、既存住宅流通を増やすことが、リノベーションやリフォーム、新築工事を増加させ、業界を活性化することにつながるということです。既存住宅流通が海外のように当たり前になるには、「安心」と「気軽さ」がポイントになります。「安心」は住まいの性能と価格の下落率と言えます。既存住宅において、表に出にくい性能の劣化は不安を増長します。土地の情報を持つ不動産会社だけが仲介するのではなく、建物診断ができる会社も仲介する仕組みが必要なのではないでしょうか。そして、価格の下落率を止めないことには、いつまでも「安心」を提供できない市場となります。購入した瞬間に数十パーセントも下落するとなると、既存住宅を購入する気になれないですよね。
 私は、金融機関が既存住宅に対して融資するに当たって、本人の返済能力だけではなく、不動産の価値も重視すべきだと思っています。それも、土地に偏った不動産評価を基にした担保価値だけではなく、どれだけ賃貸収入が見込めるかという観点からも判断してほしいのです。もし、住宅ローン返済ができなくなっても、賃貸収入で回収できる世の中になれば、価格の下落は止められるのではないかと思っています。要は、他人に貸せないような住宅は価値がないということになり、土地の大きさだけではなく、立地や建物そのものの評価も高まっていくと考えています。
 「気軽さ」は、売買を賃貸住宅と同等レベルまで敷居を下げることではないかと思います。不動産手数料も、賃貸住宅のように「賃料の数カ月相当」レベルになると良いですね。今よりも売り主の責任を重くし、逆に仲介の責任は軽くすることで、もっと気軽に仲介できるのではないでしょうか。購入時に「将来、いくらで売れるか」と意識することで、住まいを大事に使うでしょうし、維持管理(メンテナンス)も自主的に行うと考えています。また、一生涯に幾度も転居できるようになれば、人生における選択肢が増えると思うのです。地域への愛着は必要ですが、ずばりその土地やマンションでなくてもいいのではないでしょうか。既存住宅購入が、賃貸住宅を借りる程度の気軽さになれば、驚くほどの数が流通することになるでしょう。
 今の日本の既存住宅は、先祖代々から引き継がれた家よりも、購入した家やマンションの方が圧倒的に多くなっています。先祖からいただいた土地や建物ならば、簡単に手放すことはできないでしょうが、自分たちで買った土地やマンションならば自由にできるはずで、日本での既存住宅流通の土壌は十分にできていると思うのです。特に、戦後建てられた団地やマンションが多くある大都市近郊は、大きなチャンスであると考えています。上記の仕組みや政策をきっかけにして、既存住宅流通を欧米レベルまで活性化させていきたいものです。

木材高騰による住宅業界の影響

 木材の高騰が止まらず、新築住宅や非住宅木造建築に大きな影響が出始めています。新築住宅は、分譲と建て替え、賃貸住宅が主流ですが、お客様が見積書を見て、了解して、建築着工するのに最低2カ月はかかります。例えば、8月の見積りはどんなに早くても11月の上棟ということになりますので、木材価格は3ヵ月後を予想して見積書を出すことになります。10月上棟までは、契約や見積書の提示が既に済んでおり、建築をしないわけにはいかないお客様が多かったのではないかと思いますが、今後「木材高騰が反映された見積書」となると、最終消費者やデベロッパーなど、決断をためらうる人たちが増えるのではないかと危惧しています。待てば「安くなる」とは言えない中、それでもこれだけの価格アップを素直に受け入れてくれるとは思えません。また、鉄、石油も価格アップが予想されるとなると、新設住宅着工戸数への影響は深刻な状況になるのではないか?と考えざるを得ません。
 もう一つの課題が、公共建築物です。木造化を促進しているものの、官庁の仕事はあらゆる面で融通が利かないので、予算不足で事業が停まることにならないかとも思っています。3月末が引き渡し期限となるケースが多く、建築材の納材時期が9月から11月になり、最も木材の不足と高騰が影響するのではないかと思われます。着工はしたものの、上棟できずに工期が大幅に遅延するなど、今後、深刻な状況が多くの現場で起こる可能性があります。
 木材流通業界やプレカット工場は、木材価格高騰の転嫁をしなければ、生き残ることが難しいでしょう。しかし、不動産会社や住宅会社、建築会社は、高騰分の価格を転嫁した場合、住宅ローンの内定取り消しや請負契約のキャンセルにつながることもあり得ます。目一杯の資金繰りで計画していたお客様は、「払いたくても、払えない」のです。事前に土地を契約している場合など、引くに引けずに深刻な状況になっているケースもあるのです。
 市場は、需要と供給のバランスで価格が変動しますが、今のような高騰や急落は、どこかにしわ寄せが必ず来ます。市場をある程度コントロールしていかないと、弱者だけが倒産や失業などのリスクを負うことになります。プレカット工場は木材の仕入れができなければ、納材の約束はできないので、商社から言い値で仕入れざるを得ませんが、それを転嫁します。建築会社も、言い値を転嫁します。一方で、不動産会社や住宅会社は十分に転嫁ができません。そして、下請けの建築会社に値引き要望をすることになります。このように、川下になるほど負担が大きくなっているようです。
 もしこのままの状況が続けば、分譲住宅会社(不動産会社)も注文住宅発注者(消費者)も、無理をしてまで建築しなくなるでしょう。簡単に予測できることではありませんが、最悪の場合、急速に着工数がしぼむ可能性があるかもしれません。高騰した価格が下がるまで、体力のある会社は建てずに耐えるので、その積み重ねの着工減が大きな波となる可能性があると思っています。住宅業界が、バブル崩壊やリーマンショックといった過去の事象のようにならないことを祈っています。

自由人とは何だろう

 社会人には、「従業員」「自営業者」「経営者」「投資家」の四つの立場があると言います。まず、「従業員」には、雇われ経営者や社長も含まれます。ほとんどの学生が卒業するとこれを選択しますね。収入は会社や経営者から入ってくるため、安定していると言えます。二つ目の「自営業者」では、自分の能力や行動量で収入が決まります。農業、漁業、弁護士や開業医なども含まれます。個人の収入差が出やすく、本人が存在していないと収入が絶たれることになります。三つ目の「経営者」は、自分で直接稼ぐことはなく、他人を雇って、収入を得ていきます。そのためには、優良なビジネスモデルを構築しなければなりません。優良差が収入に大きく影響していきます。そして、最後の「投資家」は、株や国債を所有し、配当を収入源にするのが最も分かりやすいですが、不動産投資、ベンチャー支援などからの収入も増えてきています。本人は、どこで何をしていても収入が入ってくるので、資産が収入を生むと言っても過言ではなく、この人たちが一般的に自由人と言われる所以です。
 郡山のK氏は、新卒から「従業員」を25年経験、早期退職して不動産会社を設立しました。最初は、奥様と二人ですから「自営業者」となったのです。不動産仲介や土地売買も「宅建士」を持っていないとビジネスにならないので、自身が会社の資産であったのです。10年を過ぎたころから、社員(宅建士)4名を採用し、経営者として力を発揮していました。本人は人脈づくりに奔走し、実務は社員が担当できるまでになり、地域ナンバーワンになったのです。そんな中、跡取り(息子2人)は、他の道を選択し、社員は「経営者」になることを拒んでいたこともあり、還暦を目前にすっぱりと会社を閉じることにしたのです。社員には、十分な退職金と再就職先を提供し、本人は構築した人脈と資金を元手に、「投資家」にチャレンジすることにしたのです。たった一人で不動産投資、株、ベンチャー投資も行い、投資家としては新米ですが、今までにない充実した人生を過ごしているとのことです。
 住構協の中部事務局を担当していたK氏は、65歳の定年直前で、両親が残してくれた築150年の実家(雪国)を「宿=素泊まり」に変え、「自営業者」になりました。もともと、空き家だった実家を売却する計画でしたが、少子高齢化の進む田舎では、売るに売れなかったのです。それを素泊まりというビジネスを付加価値にできないかと実行したのです。4年をかけ、裏の畑や住まい、庭をイベント(野菜を作る、講演会、お絵かき)会場に変え、ピザ釜、喫茶・ランチコーナー、太陽光発電などを設置して、人が集まる仕組みに変えていきました。世界中からお客様が泊まり、近所のお客様がお茶を飲みに来るのです。結果、ビジネスを引き継ぐ夫婦が現れ、実家の売却に成功したのです。K氏は、その資産とノウハウを元手に「素泊まりコンサル」「素泊まり成功事例本」を計画しており、自由人になることを目指しています。
 土地活用のビジネスを手掛けてきたこともあり、私の周りに「投資家」と言われる人が増えてきました。「資産を上手に活用」しているのです。冒険はせず、確実な利回りを求め、情報収集や人脈づくりに生きがいを感じているようです。一方、死ぬまで「自営業者」を楽しみ、生きがいにしている人もたくさんいます。「体が動く限り、現場で仕事をしたい、みんなの役に立ちたい」と、農業や漁業だけでなく、医者、弁護士などもそんな人生を目指している人がいます。もちろん、両方を手掛けている人もたくさんいます。
 若い時から、自由人になりたいと思いながら、収入が無くなることを恐れ、決断をできず、中途半端な生活を受け入れている自分がいます。これからも、自由人になりたいと思い続けるのでしょうが、体が動く限り自分のできる範囲内(迷惑をかけない)で家づくりをしていくような気がしています。

心に残る言葉

 「コロナに対抗できる体づくりをしよう」
 私が言い続けている言葉です。
 コロナ対策が叫ばれて、1年以上が経ちます。国や行政が口酸っぱく言う、「三密の回避、人流を止める、マスク、消毒の徹底」など、ほとんどの国民は素直に従っています。ワクチンが普及すれば、本当に収束するのでしょうか?一方、感染症から身を守るために「免疫力を高める」ということについて発信する人はあまり多くありません。食生活を見直し、運動を心掛け、タバコや酒を控え、睡眠を十分にとる。そんな当たり前のことを、専門家である人たちが指導してほしいものです。

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