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理事のコラム

不動産価値アップ、地方活性化もできるはず

 少子高齢化が日本社会を脅かしつつあるのは、地方ほど肌で感じることでしょう。最近、特に感じるのは、不動産の価値が上がるように組み立ててれば、不動産投資が起こり、町が活性化し、若者が移住してくるのではないだろうか。そこには、新しい仕事が発生してきて、より活性化を生む。もちろん不動産の価値をあげることは、簡単ではないでしょうが、不動産事業と建築業、住宅業は一体化していることは間違いないのです。いや、住宅事業が、不動産事業の一部になりつつあると感じるのです。不動産の価値をあげるには、やはり、人が集めるか、生産の価値を高められるか、となります。農地であれば1000坪で年間1000万の収入を得たものを、2000万になれば、価値は上がります。工場も同じでしょう。商業エリアでは、10万人が歩く道路が20万人になれば価値が上がります。
 「熱海の奇蹟」や「一宮のサーファーファースト」をこのコラムで書きました。人口が増え、子供たちが増え、新しいビジネスが増えていると言います。いやでも、住宅業界も活性化していきます。一方で、インバウンドで成果をあげているエリアが出てきています。中国、台湾、インドネシア諸国のお客様を積極的におもてなし。例えば、青森県は、中国の決済方法を積極的に取り入れ、県内のお店への加入を勧めている。どこにいっても中国と同じようにすることで、キャッシュなしで買い物ができる。佐賀県も空路が近いというメリットを活用し、安くこられるようにして、滞在させる工夫を施している。結果、他県と比較して、仕事が多様化し増えつつあるといいます。
 それでは、私たち工務店がどう動けばいいのでしょうか?私たちの立場で、自社商圏の価値を上げるには。まずは、定住していただくという考え方から「一時滞在を勧める」ということではないかと考えています。若い人には、仕事上便利な場所と休息する場所を別々にする。東京一極集中と言われていますが、それを認める。逆らわない。どんどん集中させる。しかし、一人一人の時間で分けるということです。東京に年間250日、千葉の房総に100日、北海道に15日といったことでも良い。一週間のうち5日が東京、週末2日が千葉の房総でもいい。大震災が起きたときにも避難先を持っておくことにもなる。不動産価値が低いところにゆったりとしたスペースを確保する。高齢者は、暑い季節は涼しい地域に、寒いときには暖かい地域に一時滞在をしてもらう。それだけで、国全体では省エネにもなるし、高齢者の健康も維持できる。大きな住まいを1戸持つのではなく、小さな家を2戸持つ。一つは駅前マンションで、ひとつはシェアハウスでも良い。大都市と地方を一対にする。例えば横浜でマンションを購入すると、避暑地の小さなシェアハウスが付いてくる。大都市と地方が提携(合併も)をする。税金も分かれる仕組み。そこで、私たち工務店が役に立つ。いないときの維持管理、修繕を行い、いつでも快適に過ごせるようにしていく。ほんの少し、都会で落とすお金を地方へ、居る時間を地方へ。
 一時滞在の需要を増やすには「楽しい時間」を持てることを提供していくしかない。「快適で楽しい」となれば、2拠点でも持ちたいと思うはずです。日本に長く根付いてきた「むら」や「いえ」といった見えない制度が、一生涯そこに住み続けることしか、選択肢がなかったと思うのです。これからは、すべての時間を一拠点にする必要が無いと思ってもらうことです。「楽しい時間」は、地方も都会でも持てるはずです。
 平塚に住む60歳代のK氏は、50代の後半に群馬県嬬恋村に2拠点目を持ちました。夏の数ヶ月間だけ、高原野菜作りとその仲間達と過ごします。毎週、メンバー協働で、B級グルメと本格的なイタリアン料理のパーティを開きます。冬は、湘南の海を眺めながら、物書きや講演(高原野菜の工夫など)をしています。千葉県一宮町に住むB氏は、30代ですが、週に三日ほど会社と営業で東京へ向かうので、ワンルームを借りています。週末は、仲間達と大好きなサーフィンを楽しみますが、子供たちは学校が終わると、サーフィンをするようになってきたといいます。奥様は、一宮町の介護施設で働いています。このコラムに出てくるK氏は、名古屋のマンションを持っています。定年退職とともに、生まれ育った実家(富山築150年)を改修し、素泊まり施設を経営しはじめました。実家の周りで農業を行ないながら、宿泊客のお客様と毎日のようにパーティを開催しています。今では、名古屋に帰りたくても帰れないくらい、繁盛しています。そういう私も20年程度、横浜と千葉を行き来しています。仕事上、寝るだけの賃貸マンションを借り、週末だけ九十九里浜。祭りと海を楽しみます。
 このような日本人が増えることで、地方だけが過疎化することはなくなります。不動産の価値も高まります。交通網が整っている日本だからこそできるのです。一年の中に四季があり、暑い季節、寒い季節があるから、メリットもでてくる。もっと自由な生活を勧めることで、人口が減少しても、有効活用もでき、空き家も減少し、不動産的な価値は高まり、私たちの仕事も増えてくると考えています。


 

ますます、女性向けの住宅が求められます

 最近、特に感じるのは、住まいに対して女性の意見が非常に強いと感じています。「鈴木さん、今頃ですか?50年前からですよ」と言う意見が聞こえてきますので、「ますます」と言い換えます。なぜそうなっているのかは、難しくありません。第一に、女性が資金上、必要不可欠になってきたからでしょう。ご主人だけの収入では、生活費用を負担できなくなってきたのです。また、女性の親の資金や土地の提供も大きい。「金も出すけど、口も出す」当たり前です。第二が「家事の負担比率」です。これが昔とあまり変わらない。食事の準備から掃除、洗濯、片付けも。いや、なんと言っても子育てでの負担です。これが今のままでは、男性の意見は通るわけがない。第三が、仕事の内容です。これも、今までは、漁業、農業、商業、作業場など住まいと仕事場が連動している場合が多かったが、今は、働く場所ではない。完全なる住まいだけ、専用住宅。これでは、女性だけの意見で充分機能を満たす。第四に近隣への気遣い。これも、男性よりも女性の方が強くなっている。町内会、PTA、参加していますか?
 少し前までは、建物大きさ、資金計画、外観、性能、住宅会社選びまで男性が行ない、間取りや設備、インテリアなどは女性が決定権を持っているのが多かった。しかし、今では、大きさ、資金計画、外観を女性が牛耳っている。最後の砦、性能と住宅会社選びなのですが、女性がわからないながら、決めてしまうケースが出てきます。「大好き」「嫌い」「イメージが合わない」「フィットしない」となるのです。そして困ることは「よくわからないから、あなたから文句を言って」となる。女性が悪いわけでない、本来やらなければならない役割を、男性が放棄していると感じるのです。本当は、「性能をどうするか」と「住宅会社選び」は、死守して欲しいのですが。ここで、男性を批難してもしょうがないので、やめておきます。
 それでは、どのようにすればいいのでしょうか?徹底的に上記の4点を満たす住まいづくりの提案です。第一に、「生活費が楽になる家」です。イニシャルコストより、ランニングコストが安くなる家、できれば稼げる家。毎月の収支が良くなることに飢えています。「今月も貯金ができたわ、服が買える」と言ったことです。徹底的に光熱費が安くなる提案をするべきです。2番目が、家事の負担が感じられない家。ストレスがたまらない家。家族が自然と自分のことは、自分でする家「この家に住んでから、ストレスがないわ。イライラしなくなったわ」。これは、間違いなく必要不可欠な項目。N社の新商品が参考になります。3番目、4番目は、徹底した快適性とセキュリティ、デザインです。快適性は「暖かい家」これしかないです。殆どの女性が求めています。寒いのは大嫌い。おすすめは、断熱気密性と輻射暖冷房でしょう。直接、エアコンや暖房機の空気に触れるのはだめなのです。嫌いなのです。ポイントは、床暖房だけではなく、夏の冷気対策も重要です。大建工業様の「ユカリラシステム」、「BEシステム」など出てきていますよね。また、近隣を意識したセキュリティは、どんどん進化していますので、端折ります。デザインは、近隣から目立たない、メンテナンスがいらない。この二つでしょうね。そんな意味でも、ニチハ様の「フュージェ」は良い提案ですよね。今までに権限を持っていた、キッチン、浴室、トイレ、クローゼットなどは、言うまでもなく女性の意見だけでOKです。
 そして最後に、性能です。住まいで絶対譲ってはいけない項目であり、大事なことなのですが、女性に理解をしていただくためには、相当の工夫が必要です。「地震に強い、将来維持管理がしやすい、長持ちするよ」「将来、資産価値が下がりにくい」といっても、「当たり前でしょ」となる。どうすればいいのでしょう。男性は理解するのだが。
 もうひとつ重要なのが「住宅会社選び」です。「アフターサービス、対応力、逃げない」など、住んだ後のストレスは、会社選びを間違うからです。女性に選ばれる会社になるためには、これも難しい課題です。皆様に教えていただきたいくらいです。最近、「妻のトリセツ」や「女性の機嫌の直し方」の著者、黒川伊保子氏の書籍を読むようにして、選ばれる会社になるように努力はしていますが。
 皆様も、新築住宅やリフォームを手がけるなら、もっと女性脳を勉強する必要があると思うのです。今までの男性脳での対応では、解決できません。なんと言っても女性の決定権者が増加中なのですから。

SDGsに対応しよう

 日本の社会で、昨年より話題の中心が「SDGs」という言葉とバッチです。それなりの会社や組織の人と会うと必ずバッチを付けています。そして、政治家や経営者は、「当社は・・・・」と話し始めます。国連が指し示す社会は、時代の流れであり、いずれ、日本の住宅業界を飲み込むことになると思われます。いや、これが出来ないと生き残っていけないのではないでしょうか?
 SDGs(国連 持続可能な開発目標)は、国連の新しい目標であり、2030年に向けて発信しています。17の具体的な目標がでており、住宅業界にとってほとんどの項目が関係しています。しかし、どこまで意識して事業を行なっているのか?企業によって大きく変わってしまいます。世界中の人が、組織が、企業が一緒に取り組むことによって、地球環境をよりよくして、人間にも、動物にも優しい世界に変えていこうと試みているものだからこそ、誰も否定できない。現実社会は、なかなかそうも行かない。利害関係があり、どうしても自分たちさえ良ければ、なっている。先進国は、今の利便性や医療環境を手放したくない。一方、発展途上国は、「なぜ私たちだけが、貧困に苦しまなければならないのか」と思っています。エネルギーや食料問題によって、いまでも戦争が起こっているという現実がある。思想や習慣の違いもあるでしょう。人間である以上「欲」や「苦しみ」がどうしてもまとわりついてくる。
 それでも、人間の知恵や行動によって変えていかなければならない。地球環境が悪くなっていることは、事実であり、このままで良い訳がないと誰もが思っている。今が、チャンスなのだと思います。私たち工務店ができること、たくさんありますよね。「断熱改修」「耐震改修」「木材利用」は、SDGsに直結しています。ど真ん中の政策といって良い。どの業界よりも貢献ができると感じています。「健康と福祉」も住まいづくりが中心であり、再生エネルギーもZEHがある。日本の技術力(耐震や免震)を地震国に提供することで、世界の人の命を守ることも貢献できる。意識、行動を変えることで、私たちは持続可能な社会を作ることができるはずである。ぜひとも、前面に掲げて欲しいですね。「SDGs」を。

 

 

心に残る言葉

「まず、掃除をしよう」
 陰山秀三郎氏の経営学は、掃除をすることから始まります。日本中に掃除の文化を作り上げた一人です。私が勤務するN社も、駅から会社に続く道を「Nロード」と命名され、毎日、社員の有志が道路掃除を行っています。営業所や販売物件の前面道路はいつでも綺麗になっています。当協会のメンバーもよく話が出ます。掃除が基本、綺麗にすることで、お客様の信頼を得られます、と。

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