個人情報保護方針お問い合わせ

理事のコラム

政治が変わる時、住宅業界にはチャンスが生まれる!

 10月22日に総選挙が行なわれました。「なぜ今なのか?」と疑問を持ちながら、投票した人もいたのではないかと思います。争点は北朝鮮問題と少子高齢化、消費増税などが挙げられていましたが、絶対に外せないのが、北朝鮮をはじめとした近隣諸国との安全保障であり、緊急性を要していたはずです。今年解散しなければ、来年度には衆議院総選挙に加えて天皇陛下の移譲、消費増税などを一気に行なうことになったはずです。そのような年にもしものことが発生したら、政府にとって対応が難しくなります。安定した政権で2018年度を迎えたいのだろうと推測します。結果は私が論じるまでもなく、与党の考えた通りとなりました。少なくとも2018年度はこの体制でいくはずです。私たち住宅業界、特に戸建て業界はどのようになっていくのでしょうか。国の政策に大きく影響するのが住宅業界であり、注意深く見ていく必要があります。
 正直、個人的には今の時期による総選挙で良かったと思います。今までにない危機的状況が起きる可能性が高い中、早期に日本の方向性が明確になり、手を打つことができるからです。準備は速ければ速いほど効果を発揮すると分かっています。私たち工務店の経営者としても今からしっかりと準備することができます。
 直接私たちに影響があるのは、なんとっても住宅ローンの金利でしょう。いつまで低金利は続くのでしょうか?しかし、緊迫した世情の中では、いくら低金利が続いても身の丈を超えた高額な住宅ローンを渋るお客様は増えるでしょう。また、資材の高騰や職人不足が起きないでしょうか?その点、一戸建住宅事業は、職人が不足するスピードが緩い分、有利なのかもしれません。免震マンションや地下付の中古マンションへの移住は、自然災害に対してのイメージが良いので一時的なブームが起こるかもしれません。エリア選定もよりシビアになり、米軍基地や自衛隊基地、原子力発電所などの近くは、永住を決断する人が少なくなると予想されます。
 しかし、与党が勝ったことで経済的には安定してくるでしょう。消費税も予定通り10%になり、少子化対策がものすごい勢いで拡充してくるでしょう。これにより、保育園や医療施設、学校などの新築だけでなく、建て替えや耐震リフォームが補助金によって一気に進む可能性があります。例え、校舎の耐震化が終了したとしても、体育館、道場などの付属建築物が手付かずの学校も多いと聞きます。いつ起きても不思議ではない非常事態で、ある一部の業界特需であっても、数年後には、日本経済全体に波及してきます。もう一つ、地方創生に資金を配分することは間違いありません。
 私たち工務店がやるべきことは、刻々と変わる政治の状況を見極めるだけでなく、政府が何に注力しているのかを肌で感じていく必要があります。まず、もう一度、自民党や公明党の公約を見直してみましょう。選挙戦で訴えていた政策は、目的が達成できるまでやりつづけると感じています。なんと言っても5年も続いている政権ですから、「ビジョン」や「発言力」より「実行力」が優先されるはずです。まず、少子化対策から、一戸建住宅だけでなく非住宅建築に対するアンテナを持ち、好き嫌いではなく、できる体制を準備することです。
 次に地方創生のための政策です。たとえば、民泊施設へのリフォーム、建替えビジネスや中小企業の工場移転などにも注目しておいたほうが良さそうです。そして、私たちが得意とする耐震リフォームをはじめとする性能アップリフォームと、移住を伴う中古流通に関わるビジネスです。これらのビジネスは、日本全国で加速させなければならない課題であり、早急に動かなければならないはずです。そのためにも、地元の不動産会社とのネットワークつくりは不可欠だと考えています。政治が変わるという時ほど、住宅事業のビジネスチャンスはありませんから。



 

視点を変えるとビジネスが変わる

 地域型住宅グリーン化事業団体の総会に呼ばれ、講演を行った帰りにH社のN社長に案内されたのが、愛知県蒲郡市の「ラグーナテンボス」。海洋型の大型リゾートを目指し、愛知県と蒲郡市、トヨタグループが開発を行ったが経営が行き詰まり、潟Gイチ・アイ・エスの澤田秀雄社長が引き継いだリゾート施設です。長崎県のハウステンボスを復活させた経営手法を取り入れ、広大な埋め立て地を有効活用しようと努力をしています。
 推進会員のN社が躯体工事を請け負った、話題の「変なホテル」も面白かったですが、鰹Z宅アカデメイアという会社の旅行部門が手掛ける「SHARESラグーナ蒲郡」は、一度見る価値のある施設です。コンセプトは「泊まれる住宅展示場」。海に面した敷地にある14棟全ての住宅が「30坪以内の無理のない大きさ」「1,500万前後の無理のない価格帯」の規格住宅。純粋にプラン、デザイン、ライフスタイル、好みにこだわって、自分のぴったりの家が選択できるとのこと。午前11時から午後5時までは住宅展示場として、午後5時以降はホテルとして運営します。今年の4月にオープンして、週末は満室とのことです。
 14棟は地元住宅会社が知恵を出しており、小さな展示場として利用しているため、個性的な目立つ家が多い。住宅会社は、宿泊数や宿泊金額に応じてフィーをもらえる仕組みになっているので、泊まりたくなる設備を提案しています。暖炉やバーベキューコーナー、ウッドデッキ、露天風呂などがあり、2〜5名程度が宿泊できます。家族連れや友達グループなどが利用しているとのことです。
 ビジネスの仕組みは詳細に理解できていませんが、コンセプトに共鳴した住宅会社が建築費用を負担して出展するのです。ホテルの経営は、東急リゾート鰍ェ受けており、インターネットで宿泊客を募集しています。リネンやモデル住宅の清掃管理も同社が行っているようです。住宅会社は、見込みのお客様を案内したり、実際に宿泊してもらって、居心地の良さを体感してもらうようです。小さなイベントをたくさん仕掛け、観光目的のお客様をはじめ集客は順調だと言うことです。
 今回のポイントは、リゾート施設の土地の有効活用。だから、旅行部門が仕組みを作ったのです。設備投資を最小にするために、ホテル(宿泊施設)の建築費用を住宅会社に持たせる。住宅会社もメリットがあります。常設の展示場のように自社モデルを活用でき、お客様が宿泊すればするほど、不動産収入にもなる。宿泊したお客様から「宿泊体験談」の口コミを期待できます。
 千葉県大網白里市のO管理会社も、自社のモデルルームの一部をランチタイム専門のレストラン(ワンデイレストラン)やギャラリーとして貸し出しています。早朝は自社の事務所、夕方からは学童保育として活用。全て有料のフロア貸しとしており、事務所経費を補填しています。おまけに、その来場客を集客とみなして、レストランでも、絵画などのギャラリーでも、さりげなく名刺を渡しています。それ以外にも、路線バスを一部改装して宅配便の集配をする会社や、自分の車を使う予定がないときはシェアカーとして貸し出すといった、様々な事例がビジネス社会に出てきています。
 視点を変え、一つの機能ではなく、二つ三つの機能を持たせることができないか?といつも考えています。例えば、お神輿を担ぎながら、「祭りだけで使うのではなく、外国人向け体験ツアー、結婚式披露宴、記念式典にも貸し出せないか」。箱根駅伝を見ながら「5区だけの駅伝の体験コースを作れないか」。イベントで見かけるフードカーを見ては「食事を提供しながら、住まいの相談も一緒にできないか」など。自社の倉庫、作業場、施工、設計などあらゆるものが他の機能を持つことができるのではないでしょうか。


 

マンション管理組合の常識が変わる

 東京都心のマンション管理組合が変わりつつあります。報酬もなく面倒だといって役員を受ける人が少なく、持ち回りとなっているマンションがほとんどでした。投資で購入した人も多く、住んでいない所有者もいます。もちろん、賃貸で住んでいる人は全く興味がありません。管理会社が所有者にお願いしても、お金で解決しようする方までいたようです。
 ところが、それでは自分のマンションの価値がどんどん下がると感じ始めた所有者が、積極的に関与する時代になってきているのです。理事長を社長として管理組合を法人化し、会社経営のノウハウを導入しはじめているのです。特に都心のマンションは、現役時代は上場会社の役員など経営に携わってきた方が多く住んでおり、経営のプロが多いのです。経営者視点で見ると、マンションの管理組合は株主(所有者)が少なく、自己資金は豊富(長期積立金)で借り入れも少ない、超優良会社だというのです。高層の数百戸もあるような都心のマンションは、数十億の資産を持っているのです。
 課題も多くあるものの、管理組合の経営は一般の会社と比較すると、想像以上に面白いらしいのです。例えば、都心のマンションでは、住民の所有する車が少なくなっているだけでなく、ハイルーフのワゴン車などが増えてきたことで、高さのない機械駐車などが負の遺産になりつつあります。この資産をどのように活用するべきか?そのための設備投資はすべきなのか?例えば、近くの企業に一括で駐車場を貸して収入を得たり、屋上をドッグランコーナーにして外貨を稼ぐような管理組合も出てきています。ある管理組合の社長は、数年後には管理費を無料、修繕積立金も収集しなくていい、超優良マンションを目指していると話していました。
 また、防災マンションをつくり上げることで価値を高めたマンションもあります。近くのクリニックと管理組合が提携し、いつでも簡単に掛かりつけ医として利用でき、健康診断や医療相談もしていただけるようにしています。災害時には、エントランスや集会室、キッズルームなどの共用部分を仮設診療所として活用し、ストックしてきた診療備品を使い応急処置や手当てをできるようにする。マンションの居住者だけでなく、近隣住民たちにも安心を提供していきます。規制に厳しい厚生労働省でも仮設診療所は認めてきているようです。高齢者向けのサービス付き賃貸住宅以上に安心できますね。
 区分所有法に従って管理しているだけでは成り立たなくなる時代が、直ぐそこに来ています。駐車場の利用率が落ちたり管理費を滞納する所有者が増えることで収入が減ったり、相続で所有者が不明確となったり高齢の所有者が意思決定を拒んだりすることで住民の4/5以上の賛成が取れないなど、思い切ったことができない。そのようなことから、管理組合が破綻するマンションが急速に増えるように感じるのです。管理組合が破綻すれば、資産価値は限りなく低くなっていくでしょう。一方で、上記二つの事例のような管理組合は、どんどん資産価値を高め、そのマンションの流通価格に大きな影響を与えるようになります。管理組合のあり方や管理方法が、中古マンション選びの一つのポイントとなり、取引価格にも大きく反映してくるのです。
 負の遺産と思っていたことが資産に変わり、資産だと思っていたことが負の遺産に変わることが、当たり前の時代になってきているようです。例えば、親の住んでいた実家が空き家になります。田舎の山や農地はどうするのか?お墓は?昔と違って相続のパターンは複雑になり、兄弟間で取り合う人もいれば、積極的に相続放棄をする人達もいます。有効活用に悩み、維持管理費が重荷になると思ってしまうからです。親の実家を賃貸住宅に建て替えれば資産になり、民泊を経営すれば維持管理費程度の収入は得られるはずです。また、捨てるのが当たり前だった藁が売れているといいます。「炭火焼き」ではなく「藁焼き」が、居酒屋で看板メニューになっているのだそうです。仕掛けた人がいるのです。一戸建住宅を扱う私たちでも、そのようなチャンスがあるのではないかと思っています。「負担だ、負債だ、面倒だ」と思っていたことが、視点を変え、常識を見直すだけで、新しいビジネスに変わる。アンテナを高くしていきたいものです。


 
   

心に残る言葉

 「プロセス指向共感型モデル」と「ゴール指向問題解決型モデル」
 AI(人工知能)を研究する黒川伊保子さんの講演より。男性脳と女性脳は、もともと装置として違って作られている。過去のことから学び「怖い、つらい、さびしい」ことは、二度とないようにするのが女性。失敗して、痛い目にあってもチャレンジして、克服しようとするのが男性脳。懲りない男と過去をいつまでも忘れない女。神様は、相容れない二人が協力していくことが人生を豊かにして生き残るようにした、相手に合わせる男女の組み合わせは、必ず滅びる。
 面白いですね。全くその通り。一生かかっても、女性の脳モデルは、理解できないのかもしれません。だから、人生は面白いのかもしれません。


過去のコラムを読む
ニュース