個人情報保護方針お問い合わせ

理事のコラム

忘れてはならない事実

 日本人として絶対に忘れてはならないことは、平成時代に起きたいくつもの震災です。特に、1995年の阪神・淡路大震災からは24年、2011年の東日本大震災からは8年が過ぎ、あの日の出来事とその教訓が薄れつつあるのではないでしょうか?
 阪神・淡路大震災が起きた時は関東に住んでおり、当日は、昼過ぎまで何が起きているのか情報がほとんど入りませんでした。その後、神戸の街の様子がテレビで放映されたとき、まるで映画を見ているようでした。高速道路やビルが倒れ、形のない木造家屋からいくつもの火柱が上がっている。地獄を見たという被災者の声は生々しく、実存する都市とは思えないほどでした。そして、数年後には、東日本大震災の津波がライブで放映されました。仙台空港に流れ込む津波や、福島第一原発事故は衝撃的でした。今でもたくさんの被災者が元の生活に戻れない状況です。そのほか、この30年間で熊本、福岡、大阪、新潟、北海道でも大地震が起きたのは事実なのです。
 ここ数年、外国からの観光客が急増しています。今年はラクビーのワールドカップも控え、来年は、いよいよ東京オリンピック・パラリンピック競技大会です。そして、2025年には関西・大阪万国博覧会が開催されます。観光客はどこに宿泊するのでしょうか。もしも、これらと大震災が重なったら、とても日本人と同じように行動することはできないでしょう。避難所まで逃げられるのでしょうか。そもそも避難所が足りるのだろうかと考えてしまいます。阪神・淡路大震災や東日本大震災のような体験をすれば、二度と日本を訪れることはなく、日本への観光客は大幅に減少するでしょう。対策をしっかりしないと、経済的にも日本は沈没してしまうのです。
 最近、地方の富裕層から、相続対策の一環として物件購入の相談を受けることがあります。将来の人口、世帯数の伸びから、どうしても東京や横浜といった大都市が中心になってしまいます。しかし、そこに潜むリスクがいくつかあると考えています。一つは、震災が発生した後に大きく価格ダウンする不動産か、落ちにくい不動産かです。そのリスクをできる限り排除したい。地盤の状況や津波の影響度を必ず提案に組み込みます。マンションでは免震構造か制震構造、一戸建住宅では耐震等級3以上と決めています。30階を越えるような高層マンションもリスクが潜んでいると思うのです。エレベーターが止まったら高層階住戸は孤立します。しかも、建物のダメージを受けたら修復にかかる時間や費用がビックリするほどかかってしまいます。それらのリスクを考えずに投資するのは、相続対策といえども危険だと忠告しています。
 やはり、事前防災、耐震に取り組まなければなりません。新築住宅では、耐震等級3、免震構造や制震構造を義務付ける。それらの建物の固定資産税は引き下げる。一方で、既存不適格建築は固定資産税を高くする。更に税金を使ってでも解体する。そのくらい徹底をしなければ、あの悲惨な光景を防ぐことはできないと思うのです。地震大国日本に住む以上、覚悟を決めなければならない時期なのです。それが、日本の将来に大きく貢献することは間違いないのです。
 その中で私たちができることはたくさんあります。工務店ですから、耐震補強工事はもちろん、建て替え、解体の提案をすることは重要です。それだけでなく、耐震性が確保できていない建物を、「消費者が利用しない、売らない、買わない」ということを推進していくことも重要です。経済的な価値を失えば、所有者が次の手を打つことにもつながるからです。そして、解体、建て替え、活用にチャレンジさせ、経済的価値がある建物として復活させていけばいいのです。
 もう一つ大事な役割があります、震災直後に倒れた建物から、被災者を救出することです。そのような緊急の場面で、木造住宅を解体できるのは、木造に関する知識や技術、道具を持っている大工やとびです。だとしても、自分が被災しては意味がありません。当然、自分の家、会社、作業場、倉庫を耐震化することが第一となります。


 

マーケティング力を身につけたい

 販売は、「ほしい人に、ほしいモノ(サービス)を、ほしい時」に提供すれば成功すると言われています。その中でも難易度が高いのが、ほしい人をどうやって探すか、見つけるかです。これがマーケティングの中心であり、悩んでいる方も多いのではないでしょうか。そういう私も未だに悩んでいます。それでも、今までにいくつか実践してみて、これは最低でも必要だということがなんとなく見えてきています。参考にしてみて下さい。
 まず、現場の声ですよね。今までのお客様を大切にできているかということです。その声を徹底的に集めることで、将来のお客様が見えてきます。例えば、静岡から発祥したK建設様は、和風建築一本で過去数十年間にわたり約3,000組のOB施主様がいます。しかし、残念ながらここ数年受注棟数が激減してしまい、経営者が変わるという事態となりました。その新たな経営陣がまず行ったことが、すべてのお客様に新社長をはじめとした経営陣が訪問、挨拶することでした。まだすべてのお客様とお会いできたわけではありませんが、東証一部上場のスポンサーが付いて経営が健全化したことを伝えるとともに、これまでのお客様からの声に耳を傾けることを実践しています。新築住宅受注が回復したはまだ言えませんが、数千万円におよぶ大型リフォームや大型修繕工事の受注が大きく伸びてきました。また、今まではなかった、OB施主様からの賃貸住宅の発注をいただくようにもなってきています。
 お客様の声から商品にミスマッチが起きていることに気がつき、新商品開発と同時にビジネスモデルの比重を変えてきているところもあります。千葉のB社は、引渡し時に一枚の葉書をお渡しています。その葉書の宛て先は、B社の社長宛です。社長宛てに直接届くお客様の声に、自らが対応するようにしています。修理や直しなどもありますが、感謝の言葉とともに知人の紹介などもいただけるようです。私は、ここ数年賃貸住宅の受注を行う中で、オーナーだけでなく、「入居者」の声を聞くために入居3カ月を目処に訪問して生の声を聞くようにしています。そして、オーナーに「入居者の声」をフィードバックするとともに、次の商品開発に生かしています。この行動により、自分の言葉に自信がつき、商談に説得力を持たせています。
 次に、行列ができるお店やイベントを体験することだと思うのです。業種が違っていても、成功にはすべて理由、意味があると考えると学ぶべき点がどんどん見つかります。どこの商圏にも行列ができるラーメン店や美容院はありますよね。こうした人気店には、実際に足を運んでみたり、日ごろの活動を観察してみることを勧めます。自社商圏でのお客様の行動や考え方が見えてくると思います。私は、よく出張がありますので、地元の社員に前もって情報をいただき行列ができるお店を訪問するようにしています。繰り返し行っていると、共通事項が見えてくるから不思議です。
 見栄を捨て、商圏内の他社の新築やリフォームを見ることです。ハウスメーカーでも、設計事務所でも、住宅に絞って見ることはできるのではないでしょうか。性能、資材、部材でも見るべきところはたくさんあります。「勉強させてください」と、素直に、謙虚な姿勢で臨むことです。他社商品を知ることは営業に使えます。私の勤めるN社では、「宅配」を行いながら商圏内を見る工夫をしています。「あの家が、○○工務店さんでリフォームをはじめた」「あの土地で、分譲の造成工事がはじまった」「空き家だった家で、解体工事がはじまった」「3カ月後にコンビ二ができる」などの情報が、誰よりも早く分かり、お客様へもいち早く提供できるのです。
 マーケティングは、あまり難しく考えずに行動することにあるのではないかと最近感じています。基本は、良く見る(着眼法)こと、経験者(お客様)の声に耳を傾けることではないかと考えています。それを繰り返し行うことで、不思議とアイデアやヒントが見えてくるようになる。見えるまで何度も着眼するという覚悟は必要でしょうが、うっすらでも見えたらとにかく準備する。そして、重要なことは、即行動することです。ここまで行動すれば、結果は必ずついてくるのではないでしょうか。


 

町内班長から

 私は今年、町内班長を担当します。数年に一度回ってくる当番です。人口約8,000人の東金市T町は、14の町会に分かれ、私が属する第14町会には120世帯が住んでおり、更に9班に分けられています。その第5町内班長になりました。町会は、町会長と副会長、9人の町内班長で運営されます。町内班長の仕事は、回覧板の配布と回収、町内会費の集金、地域のイベントのリーダーなどです。町会としては、第14町内のゴミ置き場の管理、清掃、町内缶拾い、子どもたちの通学の見守り、外灯の管理、お祭りの主催などです。まだ人口が増えている町会であり、徐々に大きくなっています。社会問題となっている空き家は、120軒中3軒ほどしかありませんのでまだまだいいですね。
 以前担当した際は、町会長に言われるままに回覧板を回し、町会費を回収するだけで1年間をやり過ごしてきました。地域のことに無関心だから、イベントやお祭りなども限られた人しか参加しない。最近引っ越してきた家庭は、といってもすでに30年間住んでいても新住民と呼ばれてしまうのですが、子どもが小学校を卒業すると参加しなくなってきます。そのような状況の中、1年間どのように町会活動を進めていくか、町内班長会議を行いました。昔から住む人と最近住みはじめた人が混在していますが、ほとんど面識がない人でも、自己紹介しただけで近所に住んでいるという縁を感じ関係が近づくものですね。「朝、ウォーキングしていますね」「子どもは、何年生?○○君と同級生だね」「お絵かき教室やっているよ」などと会話が弾みます。そして、「あの外灯、LEDにしませんか」「あの交差点、危ないからストップ表示を警察に申請しよう」など、どんどん建設的な意見が出てくるものだと感じました。
 地域を守り、地域を活性化することが、地方を活性化することにつながります。新たに住民になった人たちにとって、居心地が良く、子育てがしやすいと感じられるようになれば、口コミがはじまるはずです。しかし、現在の日本人の人間関係は、地域よりも友人、気の合う仲間が優先です。コミュニケーションも、フェースツーフェースよりスマホがメインになっています。難しくなっていますよね。近隣とのコミュニケーションを好まない人が増えていること、子どものつながりだけでコミュニケーションをとっている人が多いので、子どもが大きくなると一気にコミュニケーションが希薄になってしまいます。近所で誰かが亡くなったり、子どもが結婚しても数年間も知らないといったことが日常です。それを少しでも改善できないかと考えています。まだ現役の会社員なので、土日中心での活動になりますが、今回は全力で町内班長業務に取り組んでみようと思っています。

 

 

心に残る言葉

「アウトプットしなければ意味がない」
経営コンサルタントの金川氏の言葉。
 「本を月に30冊読んでいます。講演会に行っています。だから何?」、インプットはアウトプットするための行動であり、目的を間違えてはならない。話す、書くために、聞く、読む、見るがある。その力をつけるためには、人に教えることが第一だそうです。相手に伝え、行動に変えさせると、ビジネスにつながる。
 私も、気がつけばこのコラムを書くために本を読み、話を聞き、講演会に行きます。コラムがなければ、きっと手を抜いているでしょうね。

過去のコラムを読む
ニュース