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理事のコラム

太陽光発電機の搭載率

 2009年から始まった「固定価格買取制度(FIT)」が今年で10年目を迎えます。この制度が、太陽光発電機の普及に貢献したことは言うまでもありません。しかし10年が経ち、買い取り価格が下がったことで新築住宅における搭載率が大幅に下がってしまいました。太陽光発電機は、変換効率などの性能が向上した上、設置費用も下がっています。それにも関わらず搭載率が下がるということは、残念ながら、単純な目先の「損得」だけで太陽光発電機の設置を検討している消費者が多いということです。これでは、業界側の努力だけでは下支えができません。
 国としても、再生エネルギーの普及促進を図るため、いつまでも電力会社に電力を高く買い取ることを義務付けることはできません。その差額を電力消費者に負担させるという現在の制度を続けるわけにいかないのでしょう。そこで、業界としては、この「損得」を自家消費という切り口で解消することで、太陽光発電の普及を担っていかなければなりません。自家消費とは、電力会社から電気を買うことをできる限り控えて、自宅の太陽光発電機で消費電力を賄い、更に余剰電力を販売して収入を得る仕組みです。これをこれからの主力にしていかなければならないでしょう。このことをお客様に伝え続けない限り、太陽光発電機の搭載率は上がっていきません。結果、日本における再生エネルギーの普及は進まなくなってしまいます。
 太陽光発電機メーカーの担当者に、太陽光発電の現状と今後について、まとめていただきましたので以下、箇条書きで紹介します。
 @売電制度はまだある。
 (東京、中部、関西電力は@24円、そのほかの電力会社は抑制の機器が必要になるため@26円)
 A現在、一般家庭が買っている電気代は、基本料金約@26円/kWhに再エネ賦課金約@3円/kWhを加えた約29円/kWhで、自家消費の優先はメリットがある。しかも、電気代、再エネ賦課金は値上げ傾向にあり、自家消費のメリットは今後増え続ける。
 B電気を太陽光発電機で自給自足することは、環境貢献につながる。
 C最近頻発している自然災害や、それに伴う大規模停電の際に太陽光発電機による電気を使える。
 以上のように太陽光発電機にはたくさんのメリットがあります。
 一方で、普及が今ひとつ進まない原因としては以下のことが想定されています。
 @ 売電価格が下がり、メリットが失われたと思われている。
 (FITが発足した時は、@42円/kWh(税込)だったが、今年度は@24円/kWhと、およそ半分の水準)
 A ローコストビルダーはイニシャルコストを押し上げる太陽光発電に否定的である。
 B 太陽光発電機に適した屋根を持つ既存住宅が減ってきている。
 C 太陽光発電機や蓄電池などのエネルギー機器への知識が不足し、住宅事業者がお客様に提案できない。
 上記のメリットと、普及していない理由を踏まええると、住構協の会員様としてできることが見えてくるのではないでしょうか。特に、既存住宅には耐震性を考慮せずに太陽光発電機を設置しているケースが多く見られます。だからこそ、新築時に設置する意義が大きいのです。太陽光発電機を住宅にとって重要な外皮の一つとして捉えれば、新築時に耐震性等を考慮して構造計算を実施し、施工していくことも重要ではないでしょうか。そして、太陽光発電機を設置するメリットを考えれば、当たり前のように住宅のコンセプトに組み込むことで、差別化を図ることができると思います。
 更に、上記担当者から、「蓄電池や電気自動車を活用した地域新電力の可能性を考えると、家づくりにおいてエネルギー関連を避けて通ることはできません」とのコメントもいただきました。もちろん、変換効率の更なるアップや、価格の低下といった太陽光発電機業界の更なる努力は必要不可欠と思います。しかし、電力消費を抑えるハード、いわゆる家づくりが重要です。これには、私たちの努力以外で実現できません。家づくりにおいて、お客様が負担できる総額は決まっていることが多いでしょう。住宅ローンを組まなければ、購入や建て替えができないお客様がほとんどでしょう。設備やデザイン費用と、性能アップに必要な費用をどのようなバランスで組み立てるかは、私たち工務店からの提案にかかっています。
 サッシに強い建材メーカーのYKK AP蒲lは、首都圏における樹脂サッシの普及に本格的に取り組み、防火窓、高性能トリプルガラス樹脂窓などを積極的に提供し始めました。また、断熱材についても高性能商品の供給が中心になってきています。一つひとつの土俵は整ってきていますが、断熱性が高い、高性能住宅の普及は全国でいまだ20%台と、決して高い数字ではありません。特に、既存住宅の改修は中々進まず、これでは、例え太陽光発電機を搭載しても費用対効果が薄くなってしまいます。やはり、断熱改修技術を磨いてお客様に積極的に提案することが、私たちの生き残る方法ではないかと感じています。
 住宅数が多い大都市圏で普及させることが、搭載率を引き上げるための鍵となります。しかし、大都市圏では、第一に共同住宅を選ぶか、一戸建住宅を選ぶかといった戦いがあります。共同住宅が普及すればするほど、特に中高層建物が増えれば増えるほど、太陽光発電機の自家消費は普及しません。高齢者の世帯数が増え、駅近の便利なマンションへの住み替えも増えており、残念ながら太陽光発電機の普及は思ったように進まない場合があります。
 第二に、一戸建住宅が選ばれても、屋根が小さく日当たりが悪い住宅も多いため、地方ほど費用対効果が見込めません。その対策として、バルコニーや小さな屋根でも使えるような小型の機器や、ガラス面などに貼って使用できる機器などが開発、普及していくといいですね。そして、家庭用蓄電池や電気自動車の活用が必須となり、それらのコストが下がれば、太陽光発電機の普及に寄与することは言うまでもありません。地方圏は今後、平屋建て住宅の普及が進むでしょう。これは、太陽光発電機の普及には有利に働くはずです。また、一世帯当たりの人数は少なくなり、発電した電力を消費し切れないでしょうから、余剰電力の販売も期待できるはずです。
 しかし、本命は既存住宅です。普及を進めないことにはいつまでたっても搭載率は上がりません。その既存住宅に、太陽光発電機を搭載する価値があるのかが、一つの問題です。耐震性に不安があり倒壊の可能性がある場合、断熱・気密性能が低くてエネルギーが無駄になってしまう場合など、様々な障害が想定されます。そこで、耐震補強工事ができる私たちの存在価値が上がるのです。住宅業界にとって、再生エネルギー普及に対する社会貢献は、太陽光発電機の搭載率の向上が現実的なのです。なんとしても、最終消費者にご理解いただき、普及させていかなければならないと感じています。


 

導入研修での営業編

 当協会に入会するためには、導入研修の受講が義務付けられています。一般社団法人ステキ信頼リフォーム推進協会に事業の大半を移行する上で、営業研修を実施する機会も少なくなっていましたが、このたび再開しました。十数年前の研修内容と基本は同じですが、最新のものにアレンジしました。非常に参考になりますので、再度受講してみるのはいかがでしょうか。
 徐々にレッドオーシャンになりつつあるリフォーム業界では、他社との差別化がどうしても必要です。私たち工務店は、ショールーム型リフォームや、低価格リフォーム、設備改修リフォームでは、大手設備会社との差別化ができません。だからこそ、「性能アップリフォーム」、いわゆる耐震や断熱改修のリフォームをトータルで提案する、技術力を前面に出した会社へと変わっていかなければなりません。 
 お金をかけずに、消費者向けにイベントや見学会をコツコツと継続して開催する方法が、営業活動としては大きな成果が出します。本研修では、全国の会員様が行っている事例についても共有しています。また、施工現場がもっとも営業の後押しをしてくれます。現場の「見せる化」も伝授していただいています。
 実例の中で、千葉県のS住建様が月に1度開催しているイベント、「住まいのガッテン リフォーム・増改築相談会」が注目です。これは、15年ほど前から継続しており、開催回数が150回に迫ろうとしています。ショッピングセンターのイベント会場を借りて、過去の施工実例や、各種メーカーカタログの展示のほか、社長によるリフォーム・増改築の相談などを行っています。毎回、15名前後の来場があります。話を聞いていただいた方から次回のアポイントを取得しており、アポイントが取れたお客様の80%は何らかの契約につながっています。集客方法は、宅配や新聞折込で投函される手づくりニュースレターが中心です。この中の社長からのコメントやコラムが、人を惹きつけ行ってみようと思わせるのです。一度、全国の会員の皆様と見学に行きましたが、勉強になりました。
 栃木県のS材木様も感謝祭を続けています。1,000人以上のご来場がありますが、この会社に社員はたった7名しかしません。実は、お客様対応や各イベントを対応するのは、協力施工者やOB施主様なのです。OB施主様による楽器の演奏や、絵の展示などがあり、それは楽しい感謝祭です。もう一つ、大坂の会員様は既存住宅を一時お借りして、耐震リフォームのビフォアー・アフターを比較検討できる見学会を行っています。古くて大きな住宅団地で行っており、これによる成果が出ています。それ以外でも、愛知県の会員様の現場の見せる化やおついで工事など、営業方法が手に取るように分かるのです。小さな組織で低予算だからこそできることを取り上げています。
 成功している工務店様や会員様の共通点は、「小さな仕事でも快く」「イベントにお金をかけない」「関係者を巻き込む」「継続する」ということです。是非、チャレンジしてみて下さい。


 

日本のスポーツ業界が変わる

 世界には多くのスポーツがあります。その中には、人気のあるものや、稼げるものもあります。ここ数年で、それらのスポーツにおける日本人の活躍が目立ってきました、本当に嬉しい限りです。まずはサッカーですが、数え切れないほどの選手たちが世界のあちこちのリーグで活躍しています。香川真司選手や長友佑都選手、大迫勇也選手などだけでなく、中嶋翔哉選手、堂安律選手、南野拓実選手、久保建英選手も非常に期待できます。テニスは言うまでもなく、錦織圭選手と大坂なおみ選手は世界のトップレベルを走っています。野球のイチロー選手は引退しましたが、大谷翔平選手や田中将大選手、ダルビッシュ有選手はこれから更に話題の中心になるはずです。プロボクシングの井上尚弥選手やゴルフの松山英樹選手などももっと活躍するでしょう。また、バスケットボールの渡邊雄太選手や八村塁選手も世界を脅かせてくれそうです。
 そして、なんと言っても注目は陸上の短距離です。400m以下の短距離では予選落ちばかりでしたが、今ではメダルを取るまでになっています。来年の東京オリンピック・パラリンピック競技大会や、世界選手権では、サニブラウン・アブデル・ハキーム選手や山縣亮太選手、桐生祥秀選手、ケンブリッジ飛鳥選手などでチームを組み、400mリレーに挑むだろうと予想しており、非常に期待しています。そのほか、個人種目でも世界を驚かせてくれることでしょう。アメリカ国籍ですが、母親が日本人のマイケル・ノーマン選手も外せません。その彼らが、「世界でもっとも稼ぐスポーツ選手」にランキングされる日も近いと思っています。
 なぜ、彼らはこれほどまで強くなったのでしょう。体格的にメダルを獲ることが難しいと言われていた競技でのことであり、世界でもっとも子どもの人口が減少し続けている日本でのことなのです。答えはいくつもあるのでしょうが、世界中から情報が得られるようになったことに加え、人の身体能力を引き出す技術が進化してきているのではないかと思います。それを支える設備や指導者、スタッフが充実してきており、科学や医学、生物学に加えて、心理学の点でも最先端の技術が投入されるようになっているのではないかと思います。
 また、日本人が持つ性格や考え方も根本にあります。素直で真面目な考え方や、集中力の持続、繊細さ、細かな気遣い、コツコツと努力するといった、成功するための「ベース」を持つ人が多く、一端、能力を発揮できる仕組みができあがると、一気に能力が開花するのではないでしょうか。
 自分の子どものことですが、中学校の部活動において、専門の指導者がいない中で日々の努力だけを頼りにある程度の力を発揮していました。しかし、ある時から鉄分が不足し、低血圧になり、記録もどんどん落ちていきました。本人も親も原因が分からず、数カ月後に原因が判明する始末でした。しかし、中学校の部活の顧問の先生に高校の専門の指導者を紹介していただき、その高校に推薦もいただきました。これにより、高校では全国大会にいけるほど力をつけました。その後社会人になり、怪我を繰り返すようになり、最終的には怪我を克服できずに引退ということになりました。
 スポーツは、体を使うことが多いため遺伝の影響は大きいでしょう。その意味では、親や祖父母に感謝しなければなりません。しかし、体格以上にコツコツと努力する力や、体や技術を研究して磨く力、諦めない精神力などは、生まれてからの環境や指導者からの影響が大きいのです。また、トレーナーや栄養士、医者などの存在も無視できないですね。ヒーローはたった一人に見えるかもしれませんが、陰で支えてくれる人々が確実に増えたことで、力を発揮できるようになったことも確かです。日本人がスポーツの分野で活躍し始めたのは、このような関係者の努力によって、土壌が豊かになってきたことがあるのでしょう。これからも、活躍する選手がどんどん登場してくることを期待しています。一方、経済界では、日本人が本来持っている力を、十分に発揮できる土壌になってはいないと感じています。令和になった今の時代は、明治から昭和の時代にいたような、チャレンジする人やチェンジする人がどんどん育つ土壌を作り上げなければならないと感じています。

 

 

心に残る言葉

「子どもの居場所を作ろう!」
 日本では、夜に一人で夕食を食べる子どもや、給食費が払えない家庭など、戦後のように貧困な家庭の子どもが増えています。東京のある八百屋さんが行った「子ども食堂」。今では2,000箇所を超えて、今年の三月には映画が出来ました。そんなボランティア活動も危機を迎えています。難しいものです。

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