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理事のコラム

新春の講演会

 毎年、お薦めしている3つの講演会は、ぜひご参加いただきたいと思います。N社やNパートナー会が主催している福岡の新春賀詞交換会、東京の新春経済講演会、日本木造住宅耐震補強事業者協同組合(木耐協)様の全国大会。今年の住宅業界が見え、自社の経営方針を決定するための参考になるからです。今年は何に興味を持ち、注力すべきなのか?お客様は何を求めていらっしゃるのか?業界の最先端の情報を吸収できると感じています。私が特に楽しみにしているのが、木耐協様の全国大会で行われる、建築家の安藤忠雄氏の講演です。最近活躍中の隈研吾氏、坂茂氏、伊東豊雄氏らとは一線を画する安藤氏が、どのような考え方をされ、どのような活動方針を掲げているのか、非常に楽しみです。特に、コンクリートの打ちっぱなしのデザインで地位を確立した方なだけに、木造建築への見解を聞いてみたいです。めったに聞けない講演ではないでしょうか?もう一人が、鞄本総合研究所の会長を務める寺島実郎氏です。日本と世界の情勢をTV番組で分かりやすく解説する姿をよく目にしますが、やはり豊富な情報を持っていると感じます。TVで話せないような裏話が出てくると、ついつい期待してしまいます。ぜひ、生の声を聞いてみたいですね。
 工務店の経営者の皆さんは、本当に忙しいことでしょう。お客様に対して自分で営業し、現場を見ながらアフターまで担当する人もいます。もちろん、資金の心配もしなければならないため、銀行とのお付き合いもあります。いくら時間があっても足らないと思います。私も、ここ数年現場に出るようになり、時間が無いのが良く分かります。それでも、経営者として情報をインプットする時間は割かなければなりません。本を読むこと、人に会って情報を得ることも大事ですが、自分の立場から少し離れた上記のような方たちの話を聞くことは、本当に重要だと思うのです。広い視点、先の先を見る力など、自分一人で身につけることはほとんどできないと考えています。知識や情報だけでなく、エネルギーをもらうこともできます。人生の生き方のヒントを得ることもあるかもしれません、それほど、人間的魅力を持った方たちと考えています。
 私は、様々な講演会に参加もしますが、小さいながら、年に5回ほど自身で主催もしています。受講を希望する方が20名ほど集まれば、実行しようと考えています。講演者選びのポイントは、まず「自分が聞きたいか」「その人と話をしてみたいか」です。講演者の書籍を読み、他の講演会に試しに聴講に行くこともあります。経営的な話をお願いすることが多いですが、多種多様な分野の人をセッティングするようにしており、講演者の「生き方」にスポットを当てています。政治家や経営者、住職、神主、弁護士、スポーツ選手、監督、研究者、医者、建築関係者などにこれまでお願いしました。ほとんどが講演に慣れたプロではありませんが、講演会に際して一生懸命に資料をつくり、受講者に話しかけている姿を見ると、感謝の言葉しか出てこないですね。その後は、必ず懇親会(飲み会)をセットし、講演内容では聞けなかったことをどんどん聞き出します。これが面白い、本当にためになるのです。ぜひ、会員の皆様も講演会を主催してみてはいかがでしょうか?最初は、少ない受講者ですが、「ためになる話」「感動する話」を繰り返し行なうことで、コツも覚え、人が集まる仕組みが分かってきます。そうなると楽しい会になり、意外と続くものです。
 人生を、生き生きと生きるには3つの学びがあり、「自ら実経験をすること」「過去の経験者の本を読むこと」「他人から教わること」だと言われています。その中で、「他人から教わること」が、感動も覚え、もっとも短い時間で身に付くのです。短時間で集中して学ぶことができるのは、貴重であり、うれしいことですね。他の2つは、時間が掛かる。なかなか、自分の都合に合わせてもらえないものです。昨年の講演も良かったですが、今年の講演は間違いありません。なかなか、聴く機会が無い方たちです。今から、わくわくします。上記の新春の講演会で会いましょう。そして、その後に懇親会を開いて語りましょう。


 

熱海の奇蹟

 いかに活気を取り戻したのか。市来広一郎著「熱海の奇跡」(東洋経済新聞社発行)を読み、市来氏の講演を聞き、町の活性化を実現している「熱海」に学ぶべき点がたくさんあると感じました。「活気を取り戻す」ため、日本のどこの地域も悩み、活動し、手に入れようと踏ん張っています。しかし、残念ながら衰退を止めることは、なかなかできないのが現状です。そういう私も、生まれ故郷のメンバーと酒を飲み交わすと、「町が元気を失った」「高齢の町になり、町に歩いている人を見ない」「小学校が閉鎖」などの話題が持ち上がるほどです。私の生まれ故郷とそれほど条件が変わらないはずの熱海が、それをやり遂げているのです。
 熱海の活気を取り戻すために、市来氏はまず「現在の住民」にスポットを当てます。この人たちに元気が無い。「熱海は何も無い」「高齢化が日本一進んだ」「昔は良かった」などと悲観的に熱海を捉えている。そんな雰囲気では、他のエリアからわざわざ観光に来て楽しんでもらえることなどありえない。そこで、熱海の「良いこと」「楽しいこと」を、何より住民に体験してもらうことからはじめます。それが、体験交流型プログラム「オンたま(熱海温泉玉手箱)」。住民の満足度を高めるために、「熱海に住んでいると、こんなに楽しい人生がおくれる」と感じてもらいます。体験ツアーをどんどん開催することで、熱海の楽しさを感じはじめます。「オンたま」ファンが増えていくと、口コミがはじまります。どんどん住民が参加しはじめたといいます。その人たちが、SNSを使って、「熱海の楽しさ」を発信していき、訪れた観光客の満足度を高めるために工夫しはじめます。その一つが、「面白いことが、起きそうな街」への変貌。チャレンジする人たちへ、あらゆる支援を行なっていく。チャレンジ、起業を行ないたい人はたくさんいますが、小さなチャレンジでも、企画、集客、運営と難度の高いことがたくさんあるため、二の足を踏む。その仕組みを変えていったのです。商店街の店主、学校の先生、ホテル経営者などをどんどん巻き込み、集客、運営などを支援していく。1カ月で75ものイベントを支援したこともあるそうです。これにより、熱海は、「誰かが、何かにチャレンジしたいと思える場所」へ変わっていったのです。
 しかし、それだけでは活気がある街にし続けることはできない。次の手を打ちはじめます。それが、「稼げる」といった街づくりをビジネス化すること。そのためには、「街に新たなプレーヤー、若いプレーヤーがどんどん入ってくる」ことが大切。街の中には、商売を引退したい人がたくさんいる。いつまでも同じメンバーではできない。その人たちに代わって、若い人が引き継いでいく仕組みが必要だというのです。それが、「現代版家守」。江戸時代には、その仕組みや人たちが存在していました。代表的なのが、「長屋の大家」です。家賃を集めるだけでなく、住民の困り事に耳を傾け、一緒に解決していく。江戸時代は、家族の問題にも入っていったほどです。現代版は、街で使われていない遊休資産を使って、古いものを再生し、景観の特長を生かし、使いづらさも特長として価値を認めていく。古くて使えないと思っていた街の資産に、新しい価値を生み出していく。こうした考え方です。新たなプレーヤーが新たな使い方をすることで、価値を高める。それが、街を活性化していくのです。
 この中で、最も重要な地位を占めるのは、不動産オーナーだというのです。街が元気を取り戻すと、もっともメリットがあるのは、不動産オーナーです。そこにオーナーが気付くことができるかどうかです。所有するだけでは、価値は下がってしまうということを認識しているのか?ということです。利活用ができなければ、どんどん価値は下がる。不動産オーナーが情報を出すことが重要なのです。
 「熱海の奇跡」は、新たなプレーヤーが集まってまだまだはじまったばかりです。今でも手を打ち続けています。長く、難しいことなのかもしれません。それでも、人口が減り続け、2000年には1970年の約半分の人口にまでなった状況から脱し、現在は人口増、観光客数増が続いています。ぜひ、上記の本を読んでみて下さい。力になるはずです。
 自社の商圏を良く見てみると、熱海に比べると大きな可能性があるのではないかと思いませんか。良いところがたくさんあるのに、表現できていない、告知できていないのではないでしょうか。元住構協の事務局のK氏は、不動産オーナーとして築150年の実家を活用し、成功しています。誰も買ってくれない土地と建物。維持管理するだけでも大変でした。しかし、今ではフェイスブックでそのエリアの良いところ、面白いイベント、楽しいことをどんどん出し、世界中からお客様を呼び込み、懇親会を毎日行なっている。地域の起爆剤となっています。

 

平成が終わる

 日本人にしか分からないことではありますが、元号が変わると一つの時代が終わり、新たな時代が来ると感じてしまいます。昭和生まれの私は、平成になるときに大きな期待を持っていました。ちょうどバブル真っ盛り、「ジャパン・アズ・ナンバーワン」が叫ばれていたのです。私も、3人目の子供が生まれようとしていたこともあり、マンションを求めて、申し込みを繰り返していました。欲しいマンションは競争率が高く、毎回外れました。価格も金利も驚くほど高かったが、将来の不安を持つことは無く、必死に買い求めていた時代です。そして、平成に入ってバブル崩壊です。それから30年が経ちましたが、その期間のほとんどが、デフレの時代となってしまいました。
 天皇陛下が85歳の誕生日で会見され、最も良かったことは「平成の時代は戦争がなかったこと」、最も悲しかったことは「たくさんの自然災害が起こったこと」だと話されました。阪神・淡路大震災、雲仙火砕流、東日本大震災、北海道南西地震の津波、広島の土砂崩れ、中越地震、中越沖地震、福岡沖地震、熊本地震、毎年のように起きる風水害など、数えられないほどの自然災害があり、多くの方が被災しました。この30年は、「自然災害との戦いだった時代」と、印象が残るほどです。天皇陛下のお言葉に涙した人は、私だけではないでしょう。特に、被災した人たちは、陛下や皇后陛下のお言葉に、どれだけ勇気づけられたか分かりません。もしもの時でも、毅然とする国民の素晴らしさを、陛下がもっともご覧になられていたのかもしれません。
 しかし、それを悔やんでいたのではないでしょうか?世界でもっとも自然災害が起こる国であることは、誰もが知っている。もう少し被害を小さくすることはできないのか? 国民の悲しみを少なくできないのか?と、お悩みになっていたことを感じさせるお言葉だったと思います。新しい時代では、戦争も無く、自然災害での犠牲者を少なくすることを、心から望んでいると感じたのは、私だけではないでしょう。防災のプロとして、私たち工務店が動かなければならない時代なのです。
 日本国憲法に定義される「象徴」を具現化しようと苦労された姿も垣間見えました。皇后陛下に対し、初めて民間から皇后になられたことへのねぎらいのお言葉をかけられると同時に、国民が支えてくれたことへの感謝の言葉もありました。天皇と言う旅を、「国民に支えていただいた」とも表現なされました。だからこそ、「ああ、日本人でよかった」と多くの人が思い、皇居を訪れた人が過去最高の人数となりました。人々が涙する姿は、日本国民が一つになっていると感じさせました。天皇陛下が国民の幸せを願い、国民が幸せを感じられる姿が、「象徴」なのかもしれません。
 新しい時代は、どのようになるのでしょうか?ラグビーのワールドカップ、2020年の東京オリンピック・パラリンピック、2025年の大阪万博、リニア新幹線の開業が予定され、明るい未来が見えます。一方、少子高齢化や近隣諸国との関係改善という大きな課題も残っています。南海トラフ巨大地震や首都圏直下型地震も、30年以内に80%程度の確立で発生するとされています。それらの課題を、国民が一つになり、力を合わせて解決することを、新たに天皇となられる皇太子殿下も望んでいることではないでしょうか。「悲しい思いを日本国民にさせたくない」、それを心から願い実行する。本当にありがたいことですね。
 

心に響く言葉

「ゴーゴー大作戦」
 青山学院大学の原監督の言葉。2019年の箱根駅伝の結果はどうなっているでしょうか?毎回、キャッチコピーを考え、選手のやる気を出させています。ビジネスマン時代に営業のリーダーだったこともあり、やる気を出させるのは、非常に上手いですよね。原監督は、そのままビジネスの世界に残ったとしても大成功をおさめたと思います。やはり、どんな世界でも「人の能力」を最大限に発揮させることなのでしょうね。

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