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理事のコラム

会社を変える勇気

 3月7日に当協会の理事会、総会が開催され、無事にいくつかの審議事項が採決されました。理事全員が再任されるとともに、収支や事業計画についてご理解いただいたほか、会員様の活動報告も行われました。中でも、青梅市の樺島工務店様の中島慶貴社長の話は、企業経営者として学ぶべき点がたくさんありました。
 東京の西多摩エリアに位置する青梅市は、新宿から特別快速で1時間強のベットタウンで、鞄月ナの城下町の一つでした。樺島工務店様は以前、青梅市周辺で自社分譲の住宅を、土地代を除いて1500万前後で17棟程度を着工、完工させていました。お客様の年収も300万円から400万円台であり、新築住宅を建てる客様が多く存在していました。しかし、リーマンショックで市場環境が変化します。鞄月ナの工場が撤退、少子高齢化が一気に進み、東京都内も土地価格の下落が始まりました。特に、この地域の住宅事業には、逆風が吹き始めます。「このままではいけない、会社を変えなければ」と悩んだといいます。そして、あらゆる勉強をし、良いものは取り入れ、実施して行ったのです。それが「高気密、高断熱、人にも環境に良い家」。今までと大きく変え、お客様を、地域の富裕層となる年収500万以上(年収上位15%程度)に絞り込みます。組織面では、社員の整理、新規採用。経営面では、利益率のアップ、経費節減。とにかく、自信を持って勧められる工法、体質改善のミーティングに注力したといいます。如何に、富裕層のお客様と出会える場をつくるか。告知活動もホームページ、ブログ、フェイスブックなど活用し、社員とともにつくり上げ、イベントも数多く開催していきました。結果、受注棟数は半分になったが、販売の坪単価は50万から70万円となり、利益額では2倍になりました。更に、お客様との接点が増えたこともあり、リフォーム工事の売り上げが2倍に伸びたのです。
 2011年からは、市場環境の変化だけでなく「国策」に注目して変えていきます。東日本大震災の発生から、国は自然エネルギー活用を本気で取り組んでくると感じ、ZEH仕様、性能重視を徹底していきます。どこよりも早く、どこよりも有利(補助金活用)になるよう手を打っていきます。課題はお客様にどのように伝えるかと捉え、提案方法の流れをマニュアル化していきます。ここでは、会社の思い、ロードマップ(国策)から、住宅性能の重要性、自社の仕様の説明へとつなげていきます。優遇税制や光熱費削減など、お客様のメリットも十分に伝えます。更に、成功しているビルダーの良いところはどんどん取り入れる。こうした取り組みで、成長路線に乗ったのです。2015年からは徹底的にエリアの商圏を知ることに注力。青梅市の人口の動き、所得推移、古家状況などから、戦略を組み直します。手づくり感覚、リノベーションなどの情報を発信していきます。中島社長からは、「国のロードマップを理解し、体制作りを早急に行うこと、今すぐに動くこと、お客様よりも先行して情報を取得すること」と提案いただきました。
 中島社長の経営力に頭が下がります。会社を大きく変革させるには、相当な勇気と覚悟が必要だったはずです。親から引き継いだ工務店ですから、今までの延長線で経営戦略を選択する人が多い中、この決断力は素晴らしい。それだけでなく、とにかく勉強をする。良いことは、素直に即実行する。時代を視る。お客様を明確にする。自社の強みを冷静に行う。新しい商品をつくり上げる。告知活動を徹底する。社員だけでなく外部を巻き込む。といった基本中の基本をコツコツ行っていく。その過程は、しんどかったに違いありません。悩んだ時期もあるでしょう。心が折れる時もあったに違いないのです。それでもぶれずに、自分の判断を信じて突き進んだ結果です。変革が成功した要因は、いくつもあるでしょうが、「素直になって、真似る」がもっとも効果があったのではないかと思います。ZEH仕様も富裕層への提案も、日本中を見れば先行する会社があったはずです。それを素直な心で学んだのです。実行したのです。
 会員の皆様は、「東京の会社と私たちの商圏は違う」などといって、取り入れないと思う社長はいないと思いますが、あえて言います。中島工務店様を「真似てください」。皆様の商圏以上に厳しい青梅でも、情熱があれば変革できたのです。会員の皆様のエリアなら、間違いなく成功するでしょう。




 

アスリートの活躍はモチベーションの維持から

 オリンピックやパラリンピック、世界選手権などのスポーツ競技を見ていると、日本人であることを実感します。応援するだけでなく、仕事に影響するほど気持ちが入り込んでしまいます。「金メダルを取ったから、今日は良いことがあるに違いない」と商談を設定します。今年の冬季オリンピックでは、たくさんのヒーロー、ヒロインが出ました。活躍すべき人が活躍してくれたと思います。プレッシャーの中、感情が思わず出たシーンは感動的です。本当に良かった。スピードスケートの小平奈緒選手の金メダルは、想像を絶するようなプレシャーを跳ね除けた結果です。同じプレッシャーの苦しさを知っていたから、イ・サンファ選手に駆け寄って抱きしめたのでしょう。高木姉妹(高木菜那選手と高木美帆選手)が活躍したパシュートも、チーム力、技術的な分析力、300日も一緒に居るという人間力ではないかと思います。それが、日本人の最も得意なこと。個々の力を足した以上の能力を発揮する。羽生結弦選手はいうまでも無い。東日本大震災と大怪我を克服して結果を出す。「日本人って、プレッシャーに弱い」なんて誰が言っているのか?どんどん、変わってきているのです。スキージャンプでは高梨沙羅選手が4年間の苦悩を跳ね除け、カーリング女子も物語を作ってくれました。骨折をしながら銀メダルを取ったノルディック複合の渡部暁斗選手も、二大会連続で銀メダルを取ったスノーボードの平野歩選手、モーグルの原大智選手も見事です。惜しくもメダルを取れなかったフィギュアスケートの宮原知子選手も納得した演技。参加した全ての人に拍手を送りたい。間違いなく日本を元気にしてくれました。
 活躍するスポーツ選手は、なぜこんなにモチベーションを高め続けられるのでしょうか?感動を呼び込めるほど努力をし続けられるのでしょうか?苦しく、悩む時期は必ずあったはずです。それでも乗り越えた結果、自分が納得できる結果を手にすることができたのです。人間が持っている能力は各々違うと思いますが、その能力を発揮できたか、できなかったか、なんだろうと思います。発揮するには、まず、どんな能力があるのか気付けるかどうかだと思うのです。そのきっかけが「周りの人から褒められる、感謝される」ことではないかと感じています。また、褒められたいから、認められたいから、徹底して努力もする。私事ですが、娘が小学校6年生次に行なった校内マラソン大会では、夏から努力した結果、ダントツ1位で注目されました。その後、中学、高校と1日も休まず練習を続けていました。そのモチベーションは、「あのときの自分のヒロインの姿」。小さな体型で、口数の少ない彼女はいじめられっ子から、親もビックリするほど変わったのです。一方で、恐怖心もあるのではないかと思うのです。一流になればなるほど、関係者の協力度を知っています。親、監督、コーチ、マネージャー、仲間など。関係者の人生をも背負っているように感じるのはなんとなく理解できます。それがプレッシャーに変わる。娘も「一日休むと筋肉を戻すのに、3日掛かるのよ。皆に迷惑かけるのはいや」と雪や雨の中を走っていました。
 よくよく考えてみると、レベルは違うのかもしれませんが、サラリーマン人生も同じです。褒められ、感謝された結果、自分の持っている、伸ばすべき能力に気付くのです。それに注力して、勉強し、研究して能力を磨いていきます。一日でも休むと関係者に迷惑をかけるといって、突っ走る人がでてきます。課長や部長に昇格すればするほど、プレッシャーを感じてしまう。それを跳ね除け、成果を手にすると達成感と感謝の言葉が出てきます。共通するのは「夢を見る」ことではないかと思います。「将来は、オリンピックへ行きたい」とアスリートは必ず言っていたのではないでしょうか。われわれは、その「夢を見る」ことを忘れてはいないでしょうか。殆どの企業は、持っていますよね。N社は「世界一素適な住生活産業グループになる」という夢を持っています。それを手にするために企業経営をしています。
 問題は個人です。どうも、夢を持っている人が少ないと感じるのです。「夢」は変わってもいいと思うのです、持ち続けることが、モチベーションを高め、行動力を後押ししてくれる。私の場合、少し前は、「もしもの時に、住まいから命を失う人をゼロにしたい」と夢を見ていました。そして今は、「低層賃貸住宅の常識を変えたい。オーナーが住みたくなる日本一の低層賃貸住宅を普及させたい」と夢を見ています。「達成できるか、達成できたか」は問題ではないのです。自分のモチベーションを高められているかが問題なのです。その為に、「何をするのか?どのように行動するのか」が楽しくてしょうがないのです。ぜひ、身近な夢を見てみてください。社員を褒めてください。モチベーションが高まります。


 

感情表現を訓練する?

 日本社会が複雑な社会になり、心を病むサラリーマンが増えているのを肌で感じます。理不尽な説教や指示、価値観の異なる人間関係は、精神的な不安定さを生み出します。イライラや落ち込みは、毎日の様に起こっています。そういう私も、日替わりで落ち込んだり、イライラしたりしています。それを改善する良い方法はないかと思っていたら、テレビ番組で、「涙を流す」ことで副交感神経が交感神経を上回りリラックス効果があるということが紹介されていました。早速、チャレンジしています。具体的には、毎朝、出勤する前に、「必ず泣けるCM動画」をみることで、涙ぐんでいます。女性は涙を長く流せるといいますが、男性はほんの一瞬涙ぐむレベルです。その一瞬を体験するだけで、一日が気持ちよく過ごせています。CMを見ていると、東京ガス梶Aトヨタ自動車梶Aパナソニック梶Aマルコメ鰍はじめ、結婚式場などある一定の企業が提供しています。また、家族に関することがほとんどですが、圧倒的に父と娘の物語が多く、自分のことのように思ってしまい、涙をそそるのです。その中で、盛岡市の鞄月R堂さんの「結婚する娘に贈るピアノによる演奏」は、何度見ても泣けます。有名なCMですから、是非見てみてください。
 泣ける本もたくさんあります。その中で、致知出版社の「心に響く小さな5つの物語」の中の「縁を生かす」は、何度読んでも涙が出ます。思い出しただけでも泣ける実話です。このコラムで一度紹介しましたが、小学校の先生と5年生の生徒の話です。たった一つの縁が、人を変え、生きる勇気を与え、男の子が立派な成人になっていく。最後は、心を揺さぶる行動に出るのです。「人間って良いよね。縁を大事にしないとね」と涙ぐみながら、心はさわやかな気持ちになれるのです。この本は、篤志家が、学校を通じて子どもたちにプレゼントをしてことでも有名です。
 「笑う」ということも意識しており、夜のテレビはできる限り「お笑い」番組を見ています。タカアンドトシやサンドウィッチマンは何度見ても笑えます。近くで行われる吉本興業のライブ、飛行機の中の寄席、ユーチューブも活用しています。年に数回は、高校や中学の友達と会っては昔話で大笑います。
 「喜怒哀楽」といいますが、感情を表現することは、神様が人間に求める自然なことではないかと思います。必要以上に抑えつけるから、苦しくなり、精神が不安定になるのではないかと思います。かといって、他人を不快にさせるほど、表現することは遠慮しなければなりません。住宅事業の中で、私がお客様に接するときは「喜び、楽しむ」を意識して表現しています。商談中には「住まいづくりって、楽しいこと。○○さんの素適な住まいづくりに、参加させてください」と良く話します。「鈴木さんといると、楽しくなる」と思っていただければ、契約になります。建築請負の申込み時には、お客様と一緒に「○○さんと一緒に良い家作るぞ!」と激を行います。「喜・楽」を行っているときは、「怒・哀」は出ないから、お客様を不快にさせないことにもなります。もちろん、数カ月に及ぶ住まいづくりでは、お叱りを受け、不信感を抱かせることもありますが、「喜・楽」を忘れず対応をしています。結果、引渡し時には「ありがとうございました。鈴木さんのおかげで良い家ができました」と言っていただけます。
 感情を豊かにするには、訓練をすることが大事だと思っています。「笑う」「泣く」は簡単なことではないと思う人もいるようですが、それは、訓練が足らないのです。「大きな声で挨拶する」も訓練でできるようになるでしょう。俳優も歌手も訓練であのような演技や声が出るのと同じです。私たちは、住まいづくりの「プロ」であり、お客様の良きアドバイザーにならなければならない。住まいづくりの知識、技術力を身に付けるのは当然ですが、「住まいづくりは、楽しいこと」とお客様に思っていただくことではないでしょうか。そのために、「笑う」「泣く」などの訓練を意識して行っているのです。皆様も是非、試してみてはいかがでしょうか。「笑う」「泣く」を訓練して、受注を増やしましょう。

 
   

心に残る言葉

 「ハーレーで日本一周をした。子どもの頃からの夢をやっと実現できました!」 勉強会で一緒の、65歳を迎え定年退職したMさんの言葉。自由になったこともあり、奥様に頭を下げ、ハーレーダビッドソンを購入。足掛け2年、累計121日間、2万キロ、46都道府県(沖縄除く)走破、210万円の費用、19人の知人、全天守閣と400社の神社仏閣視察などを画像記録に残す。フェイスブックに毎日アップして、家族に報告、孫が喜んでみていたという。いくつになっても、チャレンジすることは、若さを保つ秘訣ですね。奥様との約束で、ハーレーは売ることになったようです。

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