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理事のコラム

震災の復旧と帰村

 震度7を2度も記録した熊本地震から4月16日で1年が過ぎました。益城町の倒壊した建物の解体工事も少しずつですが行われ、一次対応の復旧は進んでいます。東日本大震災での教訓が生かされたことで、みなし仮設住宅制度の利用や仮設住宅の建設がスムーズに行われたではないかと思います。N社も、地元の販売店様と協力しながら、60戸の木造の応急仮設住宅の建設に協力しました。東北で応急仮設住宅を建設した経験者がサポートに入り、熊本の大工さんの手で熊本県産材を使用した木造の応急仮設住宅をたった3週間で建設することができました。また、復興住宅用のモデルハウスを仮設住宅団地のど真ん中につくれたのも、地元の職人、材料による家づくりを進めたからです。緊急事態のときこそ地産地消に取り組むことで、地域経済が活性化していきます。熊本城は文化財ですから時間がかかりますが、それでも復旧への道筋はついているようです。新幹線や高速道路も早期に復旧できたことも大きいですね。
 東日本大震災と熊本地震の復旧工事を比較すると、なぜここまで時間軸で差があるのでしょうか?もちろん、津波の被害や原子力発電事故も影響しているでしょうが、東日本大震災は圧倒的に広範囲だったからではないかと感じています。もともと、人口密集地ばかりではなく、建設に関わる人も、重機材、旧建材(生コンや砂利、砕石)も少ないエリアでした。他のエリアから受け入れるにしても住宅や宿泊施設もありませんでした。今は仕事があるからと設備投資をしても、復興後の仕事量は大きく落ち込むことを分かっている経営者は無理をすることができません。結果として、仕事はあるけど工事が思ったほどのスピードで進まない。なんといっても土木分野の復旧工事量が、圧倒的に違いがあると思われます。道路、港湾の崩壊だけでなく、住宅地の盛り土や除染も同時に行わなければならないからです。それでも6年が過ぎ、災害公営住宅をはじめ、ほとんどの工事の着工までこぎつけてきました。復旧工事のピークをようやく越えたのではないでしょうか。
 原発事故において全村避難を余儀なくされていた福島県飯館村は、避難指示が4月1日に解除され村民が帰り始めています。現在の帰還希望者は30%程度ですが、一気に2,000人が帰るとなると課題が出てきました。今回の地震で被害を受けなかった建物でも、6年間も住んでいなかったためそのままでは住める状態ではないのです。中山間部にある村ですから、小動物が入り込んだり、インフラが使えなくなっていたり、畳や内装材、照明も使えなくなっていると言います。それでも村民は帰りたいのです。残念ながら、その家を作った建設会社や工務店、大工さんは、大震災をきっかけに廃業に追い込まれ、自宅の相談先がない状況となっています。
 販売店K社とN社は、販売店様と工務店様と共同事業体をつくり応急仮設住宅を建設した後、応急仮設住宅の維持管理専門会社をつくり対応していました。6年間に渡り、応急仮設住宅の点検や追加工事、修繕工事を行い、住民との信頼関係を築いてきたため、帰還日が近づくにつれ次から次へと相談が来るようになりました。たった一人しかいない担当者が住民の集まる集会室に行くと行列ができるのです。「はい、次の田中さんどうぞ。田中さんの家は、佐野さんのリフォーム工事が終わったら、工事に入りますね」といった具合なのです。
 農家の住まいがほとんどのため、とにかく住まいは大きいのです。昨年は、5000万と2000万のリフォーム工事を終わらせました。今年は、新築2棟と大型リフォーム2件が受注できる予定です。今では、相談だけでなく施工が間にあわないほどの仕事量になってきました。原発事故の補償もあり資金の心配はほとんどありません。
 災害で応急仮設住宅に住むことになった人の生活はこれまでと全く違う状況となります。おまけに、自宅の「家守り」をする工務店さんがいなくなることほど、困ったことはないのです。われわれは、何が何でも、「家守り」をする会社として、残っていかなければならないのです。

 

鰍kIXILグループの瀬戸欣也社長 「世界の衛生問題解決に取り組む」

 推進会員であるN社主催の講演会において、瀬戸欣也氏の講演を聞く機会がありました。瀬戸氏は、住友商事轄ン籍の時から、幾つものビジネスモデルを企画し、起業させてきました。その中の一つ、モノタロウを知らない人はいないでしょう。三顧の礼によって貝IXILグループのCEOに迎えられて、一年が過ぎました。経営者である受講者は「経営者としての経営手法、リーダーシップ論」などを聴きたかったのではないかと思いますが、瀬戸氏の講演は「LIXILの考える社会貢献への協力」を全面に出し、受講者への協力のお願いとなりました。
 「世界の衛生問題解決に向けて、我々がすべき事」と題した講演は、起業家としての勝因から始まりました。スピードが何より重要で、「1日議論して、60%成功の確率」「1週間で90%成功」「一ヶ月で99%成功」するならば、1日で結論を出すべきである。不成功だったら、次の日にやり直せば2日続けて失敗する確率は16%、3日連続ならば6.4%となります。試行錯誤を通して正解に早く到達することができます。スピードアップするには、トップダウンの危険性を知ることです。現場に精通していないトップの判断は、「失敗の確率が高い」「失敗の情報がフィードバックされない」「失敗の修正に時間がかかり、起業の傷は深くなる」企業におけるトップダウンは、現場を精通していないと成功しないと言い切るのです。たとえば、遠くにいる社員に「象はいますか?」と尋ねた場合、その社員が「象はいません」という答えは正解です。しかし、もっと危険なライオンがいるかもしれないのです。
 それではボトムアップが良いかというと、コンセンサスに時間がかかる、判断が正しくても機会を逃すリスクがあるのです。だから、最も必要なのは、従業員のオーナーシップ。現場で正しい判断ができる、正しい情報がトップに偏見なくスピードをもって伝わる、とのことです。そのためには「誰もがある程度持っている帰属意識を如何に高めることができるかが、企業にとって重要」だとのことです。
 ですから今回説明する「世界の衛生課題解決」キャンペーンが必要となります。世界には安全で衛生的なトイレを利用できない人が24億人おり、5歳以下の子供たちが毎日800人も下痢性疾患で命を落としている。衛生的なトイレの不備によって、経済損失は22兆円にも上っているというのです。LIXILグループは、その解決のためにいろいろ取り組んでいます。その一つに「SATO」という新興国向け簡易式トイレを開発、販売、施工をし、500万以上の人に供給してきた。現地のパートナー企業と組み雇用を創出してきた。それでも屋外排泄を余儀なくされている人は、まだ9億5000万人もいるのです。この4月から「みんなにトイレプロジェクト」を考えた。LIXILのトイレを一台購入すると、「SATO」を一台寄付する。20万台寄付できれば、100万人の衛生問題を解決できる。世界中の機関が協力しています。販売店の皆様も参加しませんか?
 瀬戸社長は、「社員が8万人もいるLIXILグループの組織がベンチャー企業のようにスピードを持って、現場で判断できるようになるのか」をチャレンジしたいから、LIXILのCE0を受けいれたといいます。そのためには、従業員のオーナーシップが必要不可欠です。自分の会社に「誇り」を持たせることが重要であり、最優先に実施しなければならないと、「世界の人の命を守る企業」であることを強烈に打ち出したのではないかと思います。自分の仕事が「命を守る」ことに直結していると感じれば、従業員は「誇り」を持てます。この一年、これに集中してきたと言いきっていました。LIXILグループの社員だけでなく、住宅業界関係者が「誇り」をもっていただきたいと思い、住宅事業者に影響力を持っている販売店様に対して、「社会貢献」ができる仕組みを考え、プレゼンをしたのでしょう。
 それでも、受講者の質問を通じて、経営手法やリーダーシップ論を垣間見ることができました。貝IXILグループ様は、新しいリーダーの元、企業風土が大きく変わり、業績も今まで以上に伸びると感じた講演内容でした。

 

「無敵の経営」を実践する

 講演を企画するとすぐに満席になる北川八郎氏の著書「無敵の経営」と「繁栄の法則1,2」が、一部の経営者の中で話題になっています。北川氏は、防衛大学を中退し、カネボウ鰍ナ人材教育に携わったあと、インドに放浪、阿蘇のふもとで20年以上陶芸をしていました。その期間に40日以上の断食を2回実施したことから、人としての小さな光を感じるようになったとのことです。その3冊の内容をまとめてみました。
 終戦後、アメリカ流の「夢」と「成功」を人生の目標に掲げ、自分たちの生活の向上を図ることが豊かな社会につながるという思いで必死に我々は走ってきました。一流大学を出て、一流会社に就職して、高い収入を目指すのが、最高の人生だと思ってきた人が大勢を占めます。物や情報があふれる社会で表面的には豊かな生活を手に入れたように見えますが、なぜか心が不安定になって人生の目標を失っている人が少なくありません。生活は便利で合理的になりましたが、欲望を満たすためだけにお金を集め、利を求める経営手法を取り入れた会社が多く存在してしまったことも確かです。「幸せになりたい」といった人間の本能を無視した経営方法に、行き詰まりを感じている経営者も多くいます。北川氏は、そのような経営者に対して適切なアドバイスをすることで、繁栄させた企業が数多く出てきています。「迷ったら、利より信を選ぶ勇気を持つと、トラブルは解消され、人の役に立って生きる胆力(腹を決める)を持ち、両手を広げてチャンスを自分が掴もうとせず、片手は人々の心や傷ついた人のために使えば、自ずと会社の信用は上がり、利はついてきます」と教えてくれます。「無敵の経営」とは、「戦略や戦術」を駆使し、相手を打ち負かす経営ではなく、戦わずにして人々に好意を持ち、多くの人に役に立つ商品やアイデアで消費者の支持を得る「敵をつくる必要のない無敵」です。誤魔化しなく人々の力になれるサービスを提供し、受け取る対価よりはるかに多くの安らぎや信頼を社会にもたらすことで、味方だらけで敵のいない状態を作ることができるのです。それには、経営者が善意に満ちて、ポジティブであることが基本なのです。これからの時代は、「人間経済学」であり、経営者のこころの持ち方で、繁栄する企業になるかどうか決まると言うのです。その「人間経済学」をどのようにすればよいのか、教えてくれています。また、成功している企業の事例もたくさん出ています。
 北川氏の  これだけでも人生が変わる 「繁栄の法則十か条」の一部を紹介します。
 1、経営する上で、やましさのない、罪少なき生き方を、人生の中心に置くと腹に据えた時、怖れ
  がなくなる。
 2、信と相手にとっての利も大切にし、自分からは、決して、裏切らない。欲で成したことは必ず
  破綻すると知って、事業をしよう。
 3、善意と行為は、与えっぱなしにし、見返りを忘れる・・・・が基本
 4、根を深くせず、赦す事を取り入れ、更に水を流し、相手の背に祈りを捧げよ。
 5、「心には力がある」・・・・よき期待は、よき結果をもたらす。
 8、会社の経営においては、あせらず、拡大よりも、まず、充実を目指す。後の伸びが大きい。
 10、言い訳、不平不満、愚痴、文句、怒りの五毒を、今生で越えられた者には、天のご褒美が待っている。
 北川氏のインタビューや本を読むと、これからは「心の時代」になり、善意を持った人と人とのつながりが経済も動かしていくと感じます。そのために、「心を磨き、心の底から世のため、人のために尽くす」そのような人間が、経営でも成功していくと思うのです。戦後70年間は、アメリカ型の経済や考え方、戦略論を学び、成功を導いてきた経営者がたくさんいましたが、今後は、それだけでは対応できない(結果が変わる)状況なのでしょう。一度、どれか一冊よんでみてください。経営者としての悩みがなくなります。
 
   

会員様のこころに残る言葉

「電磁放射線が、健康を脅かす」
 大人だけでなく、子どもも持つようになった携帯電話やスマートフォン。健康への影響があると証明され、特に、新生児に大きく影響するといいます。欧米では、保育園をはじめ、禁止区域があるようです。気になる言葉です。

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