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理事のコラム

2020年に期待したい!!

 新年明けましておめでとうございます。新築住宅事業としては、2019年は消費税率の引き上げ等があり、予想されていたとはいえ、厳しい1年になったのではないでしょうか。一方で、台風をはじめとした自然災害が頻発し、修理・修繕も含めたリフォーム事業の業績を伸ばしたところもあるかもしれません。しかし、こういった需要は、毎年変わるものですから、経営としてはあてにするわけにはいきませんよね。
 さて、今年は期待できる年になると考えています。まず、東京オリンピック、パラリンピック競技大会が開催されることもあり、外国からの旅行者が更に増えて5,000万人に近付くのではないでしょうか。特に、国際空港周辺の市町村や、東京から直通で行ける駅がある地域などは、観光客が驚くほど訪れるでしょう。ホテル、飲食、観光施設などが日本の景気を牽引してくれると期待せざるを得ません。ホテル業界が活気付くと、ビジネスホテルの用地が不足することから、マンション用地が買われていきます。競合する両業界ですから、土地価格が上昇してしまうのです。結果として、分譲マンションが供給不足になり、価格上昇を招きます。新築マンションが上昇すれば、流通マンションがじわじわと上昇してくる。リノベーションマンションも好調になることから、リノベーションを得意としている工務店様は、仕事が増えると思っています。
 次に、働き方改革の影響が徐々に出て、いよいよ週休2日の現場も出てくるのではないかと思っています。工期が長くなり、管理原価が上がるでしょう。また、副業を認める企業が増え、2つ以上の仕事を掛け持ちする人が増えてくるはずです。そうなってくると、自宅で何らかの作業を行う人も増え、増改築が可能な一戸建住宅のリフォーム需要が出てきます。間違いなく、シェアオフィスも増えるでしょうね。一つの企業から得る収入は減少しても、複数企業から収入を得る時代に変わっていき、結果として収入が増える人が出てくるでしょう。
 更に、太陽光発電固定価格買取制度(FIT)が制度開始から10年を迎え、昨年末までに53万件が期間満了し、今年以降は毎年20万件が順次終了していきます。これらの住まいが、太陽光発電を活用するための次の提案を待っています。蓄電池やエコキュート、電気自動車などに投資してくれる可能性が高く、今年は提案する価値があります。
 最後に、長期優良住宅制度が導入されて10年を迎えます。いよいよ、流通市場に「長期優良住宅」が本格的に登場してくる可能性があります。評価額にどのくらいの差が出るのか、楽しみにしています。住宅ローン融資の金利や期間、税金などが有利になるでしょうから、契約額に明らかな違いがでることを期待したいのです。これをきっかけに、私たちが得意なインスペクションから性能アップリフォーム、既存住宅の優良化が本格的になる年になるのではないかと思います。
 私見ですが、上記の内容から、工務店様がやるべきことが今年は明確ではないかと思っています。それは、「技術力」を磨くこと、そしてそのことを「告知」することだと考えています。「技術力」は、いわゆる企画、設計、施工、アフターサービスです。特に、自然災害対策、健康(住まいと住まい手)の二つです。自然災害対策は、地震、台風、集中豪雨などへの対応が必須です。事前対策が重要ですが、被災後の停電、断水対策も無視できません。住まいの決定権を持ちつつある女性は、一度経験すると思った以上に対策を求めてきます。
 健康(住まいと住まい手)は、言うまでもなく断熱改修工事です。内窓、小屋裏断熱などは簡単です。床断熱と合わせて、床暖房も提案すると喜ばれます。この二つは、私たち工務店様の得意な分野でもありますよね。
 「告知」は、「技術力」を前面に出さなければなりません。まず、ホームページに施工実例を出すことです。それも週に一度は必ず更新してほしいですね。SNSは、毎日、いや1日に2、3回は発信してほしい。面倒でしょうが、これが大きな効果をもたらします。例えば「○○勉強会に参加」「ホールダウン金物を付けました」「断熱窓をリフォーム中」「地域の活性化に貢献中」「定期点検サービスでお客様訪問」など、気軽にいつも行動していることをアップするだけで良いのです。そこから、「楽しい」「安心」が見えれば、問い合わせが増えることは間違いありません。更に、見学会の開催ですね。今年こそ、お客様との接点を増やすことに注力していただきたいのです。


 

二極化する地方

 総務省が昨年7月に公表した「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」によれば、市町村別の人口伸び率は、東京都千代田区を押さえて、北海道の占冠村と、島根県の知夫村がワンツーを飾っています。知夫村は隠岐群島の小さな村で、産業は漁業だけという一般的な過疎化の要因を持っていますが、ここ3年間でなんと10%以上も人口が増えています。最盛期には1,500人ほどいた人口は、500人程度まで落ち込んだ上、高齢者率は44%と過疎化が進んでいたにもかかわらず、数年前に取り組み始めた地域再生計画により見事な結果を出し始めています。
 この再生計画は、@住宅・雇用・暮らしの面にわたって、新規移住者を受け入れ、確実な定着を図るとともに知夫里島の将来を担う若い担い手を確保していく施策、A子どもと教育者の転入―転出―転入の波を循環的・安定的に生み出しながら、都市と地方が共生する「島留学」をはじめとする教育移住の取り組みを積極的に図る施策の二つで、具体的には島民上げて「島留学」を応援していくというものです。
 村にたった一つの小中一貫校に、全国から新入生を募集しています。子どもたちの寮も完備し、希望者には島民の住まいに預けることもできる。この時の教育方針は以下の六つあります。@「少人数協育」で、小さな村だからこそ「協」を体験できるのです。全島民の顔が見え、家族のような環境を前面に出しています。A「どローカル」は、コンビニ、ゲームセンター、信号もなく、便利なものが一切ないことが、本来の教育に生かせるというものです。歴史、文化、価値観にどっぷり漬かれ、人を思いやる力を身につける人間学が学べます。B「地域が学校、地域の学校」は、島全体を校舎、校庭と捉えるもので、子どもたちがあらゆる場所、人から学べる環境を整えています。C「地域の人が集まる寮」は、寮内に地域の人が集う大きなスペースを設置し、教育委員会の全面サポート体制のもと、ハウスマスター、調理員9名が寮生をバックアップしています。D「学習面フォロー」は、学習塾のない島ですから、村が主催し、希望者には無料で放課後学習会を受けることができます。E「同級生、高校生、大学生との交流」は、隣接する町の中学生、高校生と部活、授業、島の行事で集まることです。島根大学や全国の大学の合宿地として学校を利用し、合宿のお手伝いや出前授業をする体制を整えています。
 この「島留学」を中心に動き出しています。移住を希望する都会の家族が増え、その人たちの雇用や住宅を用意していくのです。卒業していく子どもたちが、その教育方針に感化され、Uターンするようになっています。これにより、人口が増えて村が活性化するようになってきているのです。
 北海道勇払郡占冠村のトマムもすごいことになっていますよね。外国人スキー客の増加を要因として、地価が驚くほど上がっています。その外国人観光客の大半を占めているのが、世界の富裕層だけに、宿泊代をはじめ、家賃、飲食店など、全てが大都会の東京並の価格になっているそうです。数億円もするような高層のマンションが次々と建築されていると言います。
 一方、人口が減少している地方都市の割合は90%以上になっており、歯止め策がなかなか効かない都市や村が多くなっています。首都圏といっても、東京駅から50Kmも離れると急速な過疎化が始まっています。私が育った「千葉県勝浦市」は、関東地方でもっとも人口の少ない市になってしまいました。私が生まれた年には500人ほどだった出生数が、今では50人程度になっています。市内には、リゾート用の高層マンションが十数棟建っていますので、それなりの街に見えるのですが、そこにはほとんど住んでいないのです。国際武道大学の学生が多くいますが、就職とともに街を出て行ってしまいます。
 まずは、自社の商圏で、出生数は抑えておく必要がありますよね。首都圏の一角である千葉県でも、銚子市、山武市、南房総市、香取市などが全国ランキングのワースト100に入っており、急激に人口が減少していくと予想されています。どこの市町村においても、何らかの人口減少対策を打ち出しています。空き家が増えれば、その維持管理コストもかかります。残った住民だけで現状のインフラ環境を支えることは難しいという状況が、必ず訪れます。それを回避するためには、上記の離島のように地域ごとに持っている財産をメリットに変えられるかです。どのような地域でも、他にはない財産が必ずあります。それが、全国へ、世界へ目を向けて発信できるかどうかです。私たちの工務店事業は、地域の活性化に大きく左右されますから、積極的にそうした取り組みに入り込んでいってほしいですね。


 

都会の農地を活用する

 私は、土地活用の相談から、賃貸住宅や介護施設、保育園などを受注するビジネスを担当しています。しかし、そもそも建築ができない土地や、何を建築しても活用しづらい土地の相談も中にはあります。その上、地主は高齢者が多くなっており、土地の手入が面倒だというのです。だからこそ、前回も書きましたが、遊休地の維持管理(草取りなど)は、新しいビジネスを生み出す可能性があります。土地活用事例を調べてみると、コインランドリー、太陽光発電、貸し倉庫、貸し看板、貸し駐車場などがあり、最近では、家庭菜園用地やドッグランなどもあります。時代とともに変わってきているので、その土地の条件に合ったマーケティングが如何に重要か分かります。こうした中で、都会での活用方法として「サービス付き貸し農園」が急速に伸びています。
 生産緑地法が施行され、2022年で30年を迎えます。延長制度はできましたが、制限が付けられており、後継者のいない高齢者の農業従事者は本当に悩んでいるようです。固定資産税が非常に安かったため、農地として活用したいものの、農作業からは開放されたいようです。そのようなニーズから、「サービス付き貸し農園」という仕組みができました。これが面白いのです。地主にとってのメリットは、ほとんど新しい投資もなく、農業経営よりも安定した収入が確保できるというものです。借りるお客様のメリットもたくさんあります。まず、子ども教育の「農業塾」です。長靴以外は用意されており、苗や農機具、先生も用意されています。生産されたものは、販売もできるし、自家消費でも良いのです。貸し農園と言うよりも「塾」だから、農地1坪程度でも月謝8000円程度なら割安に感じます。おまけに、バーベーキューや収穫祭と言ったイベントに参加することもでき、共感する人たちと楽しい時間を共有できるのです。1週間や2週間ぐらいなら、ほったらかしでも野菜の育成・維持管理をしてくれます。
 このビジネスは、新築マンションや3階建て住宅が多くあるような都心の土地でなければなりません。郊外では、借りるお客様が集まらないのです。不動産的価値が高く、住宅地として人気のエリアと言ってよく、農地として使うにはもったいないと思うような土地が適しているのです。一方で、都心では「自宅に土がない」子どもや高齢者が、小さくても土をいじりたい、自分で野菜を育ててみたいというニーズがある。それをマッチングさせたのです。
 工務店様の事業に直ぐに結びつく内容ではありませんが、学ぶべき点がありますよね。日本が置かれた社会状況やお客様の隠れたニーズを組み入れています。少子高齢化、子どもの教育、都市農家の高齢化、元気なシニア層の急増、税制優遇、健康志向、無農薬野菜などのキーワードが詰まっています。首都圏をはじめ、三大都市圏周辺では徐々に広まっていくでしょう。
 土地に対しては、常に今よりも有効な活用が求められてきます。例えば、相続後の子どもたちは、「売って財産を分割」「より儲かる活用方法」などを求めています。その時に、私たちにビジネスチャンスが訪れます。賃貸アパートや介護施設の建設、ビジネスホテルや分譲マンション会社とのタイアップなどです。そのような土地や地主を何人囲い込めるかが、土地活用ビジネスの鍵を握っています。不動産会社、建設会社、ハウスメーカーなどが動きはじめていますが、地元に密着した事業を行なう私たち販売店、工務店様にもぜひチャレンジしてほしいですね。地元不動産のことを理解していることが、更に自社の存在価値を高めます。

 

 

心に残る言葉

「それは、コーンフレークだ」
 M-1チャンピオンとなったミルクボーイの漫才ネタ。次の日から「売れ切れ」のお店が相次ぐ。コーンフレークを知らない世代や子どもたちもいたでしょうが、「食べてみたい」と一気に広がりました。メーカーは、どんな広告より、消費者に特徴を知っていただくことになったと大喜び。放送後、直ぐに1年分のコーンフレークを贈呈したようです。M-1チャンピオン、テレビ番組の影響力は非常に大きいですね。私たちの業界をネタにした漫才を行ってほしいですね。来年、チャレンジしませんか?

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